来訪から随分時間が経ってしまいましたが・・・
先日の秋田魁新報の地域のニュース欄を眺めていた時の事。普段は県北の話題ばかり見ているのですが、秋田中央のコーナーに男鹿市のお寺でアート展が行われているとの記事を見つけました。
地元の6名のアーティストの作品を一堂に会し、その主催は現住職の息子さんだということです。
ちょっと調べてみたら”25ansオンライン”でもご当地プリンスとして特集されていて、凄くカッコいい方なんだなとビックリしました。お母さんが外国の方でハーフなので、日本人離れしているのも肯けますね。
これを書いている時には開催は終わっていますが、お寺自体も素晴らしく魅力がたっぷりでしたので紹介したいと思います。
北秋田市~当地までの道程
北秋田市鷹巣の中心部からは、国道7号線~高速の二ツ井白神I.C.~八竜I.C.を通り、大潟村から男鹿市に抜けていくのが最速・最短のルートになります。途中に道の駅おが【オガーレ】もありますし、買い物スポットもちょこちょこあるコースです。
距離にして約73km・夏道だと約1時間半弱と、遠いようで意外と早く着いてしまうのが男鹿市です。
知らずに下の駐車場に車を停めて、ひと時の山登り。
男鹿の街は海沿いを離れるとすぐに坂道になるので、運動不足の体には少々堪えることに。漸く着いたと思ったら、お寺の前まで車で乗り付けられると知って軽く絶望するのでした…
お寺の概要
歴史は永禄年中(1558 – 1570年)まで遡ります。
男鹿半島女川に居して一帯を支配していた尾名川基季が、それまでは密教寺院であった当寺を天正5年(1577年)に仙台藩黒石から台厳俊鏡という禅僧を請して禅宗(曹洞宗)寺院として再興開山した寺で、尾名川氏の菩提寺であったが、後に脇本生鼻城主・安東安倍愛季(後に秋田城主となり秋田氏を名のる)が尾名川を滅ぼし、寺を脇本に移して安東家の祈願寺とした歴史があります。
(引用:Wikipediaより)
本尊は釈迦如来。龍神の美女伝説が語り継がれ、12000坪の敷地内の庭園の移り変わる四季の景色も見どころの一つ。
まずは、拝観料・500円を支払い、お寺の中を1周します。
鐘楼から
順路に従い、仏塔を上ると鐘楼へ到着。100円の寄付でどなたでも鐘をつくことができます。
大龍寺の建築様式で大きな特徴が、多宝塔様式では全国でも五指に入る大きなものであること。また、鐘楼堂を兼ねた多宝塔としては日本で唯一のものであるそうです。
100円を箱に納めて、作法を確認しながら、思いやりの心で以て優しく鐘をつきます。
開運・厄除け・繁栄・勝縁と幅広いご利益がありますね。
尚、鐘を突く前に唱える名号が
【南無解脱飛竜大竜王・南無海蔵常安大亀王】
ですが、こちらはお寺に伝わる龍神伝説にまつわるものです。
日本海に棲む龍神が五衰三熱の苦悩から逃れる為に絶世の美女に化身し、俊鏡和尚のもとに通って来て得度してもらい、髪の毛を残していったと言う伝説があり、この龍髪の払子は俊鏡和尚が着用した藕糸織の二十五条という珍しい袈裟と、和尚の画いた龍影の図と共に今も寺宝として伝えられています。
(引用:Wikipediaより)
鐘楼から眺める船川の海。
天気が良いと森吉山まで臨むことができます。写真には収められませんでしたが、この日は雪のかぶった様子がよく見えました。
港周辺は埋立地によって整備されていくことになりますが、元々は庭園の設計者が、海を含んだ景色全体で大龍寺の庭園と見立てていたとのことです。何ともスケールが大きいお話です。
アート展も開催
寺院内を1周する間に、男鹿の6人のアーティストの作品を多数楽しむことができました。
どれも素晴らしい出来映えなのですが・・・
個人的には、最年少・19歳の船木悠有さんの絵が妙に気に入ってしまいました。
POPなタッチで、ガシャドクロや風神・雷神など妖怪~神々を描写しています。色彩の統一感を重視されているとのことで、ポップながらうるさくなくて良いですね。
庭園の見どころ
お寺を出て、建物に向かって左手には開山堂があり、明治初期に地元の信仰厚い農民・漁師たちによって奉納された三十三観音像と十六羅漢像があります。
それぞれに名前が付いています。
なんの予備知識もないまま巡っていますが、きちんと謂れを知っていればそれぞれの姿に意味を見出せるんでしょうね。
ちなみに、山形県と秋田県の県境の遊佐町の海岸にも十六羅漢を見られるスポットがあります。近くには”女鹿”という地名もありますし、”アマハゲ”というナマハゲによく似た小正月行事があります。
遠く離れた街ですが、関連性が気になるところですね。
まとめ
男鹿市船川の名刹【大龍寺】を巡ってきました。
密教から転じて曹洞宗の寺院になったということで、京極夏彦先生の【鉄鼠の檻】を思い出してしまいました。そんなことを北秋田市の宝勝寺の時も思っていましたね…。
そんな歴史があるので、建築物としても色々面白い特徴が見て取れました。
また、紅葉の時期には一面の紅葉が色づくということです。十六羅漢像を眺めながら落ち葉がすごいな~と思っていましたが、それが全て紅葉なので、最盛期は圧巻でしょうね。
また家族を連れて見に来たいと思います。
営業情報・アクセス
●拝観時間;
8:30~16:00
●定休日;
●電話番号;
0185-24-3546
●住所;
〒010-0511 秋田県男鹿市船川港船川鳥屋場34
駐車場;20台程度
●ウェブサイト;
コメント