先日の秋田県知事選、秋田市市長選は、いずれも既存勢力の牙城が崩れた形で、まさに”刷新”という形で幕を引きました。
一方、16年ぶりに行われた北秋田市市長選は、現職・津谷永光市長が新人・虻川敬候補を下し、5選を果たしました。
私の周りでは

北秋田市民は革新を望まなかったんだね~
と言う方も居ったみたいですが・・・
今回知事選については両者ともに政策の根本は似通っていても、方法論の違いに秋田県民が持っている危機感や焦燥感が、投票先の違いになったのかなと思っています。
また、北秋田市については現市長の施策を支持される方々が多かった結果なので、今後もどのように施策を進めていくかと言うことは注視していきたいです。
個人的には、北秋田市の子育て支援はかなり手厚い方だと感じています。
ただ、北秋田市の人口減・少子化は端的に言って”ヤバいレベル”ですが、北秋田市に限った話ではありませんし、市単独だけで解決できるような構造ではないとも思います。
そして、5期目・津谷市長の4月の定例会見で発表された政策の1つが【小中学校の給食費無償化】でした。
給食費無償化について秋田県内の状況


今回の給食費無償化の要点は、
- 物価高による子育て世帯の家計負担の軽減
- アレルギーなどで給食を利用できない児童生徒への補助制度
- 市外の学校に通う市内在住の児童生徒の保護者が負担する給食費や弁当代への補助制度
と、北秋田市に籍のある方みんなが恩恵を受けられる設計になっているようです。
また、能代市も今年度から給食費の無償化を始められるとのことなので、県北地域は実施していない自治体が3つを残すのみとなっています。


給食費無償を行っている自治体は、23年9月時点では全国の約3割を占め、2017年調査時の約7倍へ増えているそうです(TBS NEWS DIG Powered by JNNより)。
秋田県内では、令和7年度時点では11市町村が無償化で、今回の北秋田市を含めると44%です。
半額助成を行っている町も含めると半数を超えるので、全国的な割合から見ると進んでいる方とも言えそうですが…
地図で色分けしてよくよく見ると、比較的人口の多い”市”では、未導入のところがほとんどだということに気付きます。
ただ、無償化・半額助成へ取り組んでいる市町村の人口を見ると、能代市の約45,000人(25年4月1日時点)が筆頭で、大きな市ではまだ取り組めておらず、ザクっと人口比で見ると20%位になりそうです。
(秋田県のホームページから入手できる児童数からも計算しようと思いましたが、膨大すぎて止めました…。が、多分児童比で計算するともう少し低くなりそうな気がします)
これは全国的な割合から行くとどうなんだろうか?
人口比や児童比では調べても出てこなかったので、もしデータをお持ちの方がいらっしゃいましたら教えて下さると幸いです。
給食の提供方法


給食の提供方法は大きく分けて4つ位になるようです。
自校方式:
- 学校の敷地内に調理場を設置し、そこで給食を調理する方式です。
- できたての給食を適温で提供できるため、アレルギー対応や特別な食事の提供がしやすいというメリットがあります。
給食センター方式:
- 給食センターで複数の学校分の給食をまとめて調理し、各学校に配送する方式です。
- コストを抑えやすく、多くの自治体で採用されていますが、細やかな調理対応が難しい場合があります。
デリバリー方式:
- 民間の調理施設で調理された給食を学校に届ける方式です。
- 初期費用や維持費用を抑えられる一方で、味や品質にばらつきが出る可能性があります。
親子方式:
- 調理場を持つ学校(親)が、近隣の調理場を持たない学校(子)に給食を提供する方式です。
- 自校方式よりもコストを抑えつつ、ある程度の柔軟性を持たせることができます。
北秋田市に於いては、②の給食センター方式がとられています。3か所でセンターが運営されていて、それぞれ以下の範囲で給食を各小中学校に配送しています。
- 鷹巣北部学校給食センター
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対象校:鷹巣小学校、綴子小学校、鷹巣中学校
- 鷹巣南部学校給食センター
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対象校:鷹巣東小学校、清鷹小学校
- もりよし学校給食センター
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対象校:米内沢小学校、合川小学校、森吉中学校、合川中学校、義務教育学校阿仁学園
北秋田市の給食は、地産地消を促進するため地元の食材を積極的に使用していて、地域経済の活性化や食育の推進にも寄与しているという特徴があります。
北秋田市でも桃豚を生産しているポークランドグループさんからの豚肉の無償提供を受けたりと、地域を知る場にもなっていますね。
北秋田市のホームページでも定期的に各事業所の給食の内容が紹介されているので、興味のある方は是非ご覧になってください。結構良い内容だと思います。
無償化のメリット・デメリット


無償化のメリット
- 経済的負担の軽減
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保護者にとって、給食費の支払いがなくなることで家計の負担が軽減されます。これは単純に嬉しい。
- 給食費未納問題の解消
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給食費の徴収や管理に掛かる事務負担が軽減され、先生方の労働時間短縮にも寄与しそうです。
- 栄養バランスの確保
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無償化により、経済的理由で栄養不足になるリスクが減少します
無償化のデメリット・心配事
- 財政負担の増加
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一般的には無償化には多額の財源が必要で、他の公共サービスや福祉予算が削減される可能性があります。
今回の北秋田市の事業費は9,297万円とのことで、歳出を 約1,248万減額も約8,000万円の差があります。湯沢市の事例では、ふるさと納税を充てたようですが、この制度が今後どうなるのかも分からないので、持続可能な予算設計なことを願いたいです。
- 給食の質の低下
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財源確保のために食材費が削減され、給食の質や量が低下する懸念があります。
食材費の高騰もですが、人件費・光熱費の高騰がこのまま続けば、限りある予算の中では何かを絞らないといけない時期が来ます。奈良県の事例では、必要な栄養が約9割しか摂れていなかった実態もあるので、内容の変化は注視していきたいですね。
- 公平性の議論
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高所得世帯にも無償化が適用されるため、本当に支援が必要な家庭に資源が行き渡らない可能性が指摘されているようです。
これに関しては何とも言えません、高校無償化もですが、子供に関わる補助は同じ条件で構わないと個人的には思っています。
自治体が給食無償化をためらう大きな理由は、やはり財源をどうするか?なようです。
その為、比較的大きな市で導入がし難い状況もあると思いますし、その中で秋田市以北の自治体が導入を進める割合が多いのは、それだけ人口減が危機的だという背景がありそうです。
まとめ・北秋田市の子育てについて


最後に・・・
今回は、他の子育て支援策として、子ども食堂の運営や子どもの居場所づくりを支援する「地域こどもの生活支援強化事業補助金」に202万円の予算も計上されていました。
北秋田市の子ども食堂については【Nico-me(ニコミ)食堂】さんは我が家も定期的にお世話になっています。
こちらは貧困家庭対策のみならず、お母さんも楽しようという目線だったり、お下がり譲渡会を通じて世代間の交流での子育て支援もしているので、幅広い支援につながっていると思います。
他、高校生まで医療費が無料、出産できる病院はなくなってしまいましたが隣接自治体への通院支援など、子育て支援はかなり手厚くやっている方の自治体だと思います。
後は、コムコム内に【ねまーる広場】はあるとは言え、【道の駅ふたつい】のような雨雪の際にも利用できる子供向け・屋内の遊び場があれば…かなり良いのではないかと思います。
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