先日、東北各地の同業者が集まる委員会に出て参りました。
新年最初と言うことで、昨年の振り返り~今年の予見、起こりうるであろう問題への対処方針について、色々勉強になりました。
更に、東北6県の中でも、特に様々な面で厳しいのが秋田県です。
その中にあって、2024年にどのようなことが起きるか、結果どうなるかという可能性を含めてまとめてみました。
2023年年末商戦の感覚から(個人の感想)
コロナ禍の中では、外食店の苦境が連日伝えられていましたが、実は食品小売りは概ね好調な企業が多かったようです。
その間に様々な要因で、あらゆるモノの値段が上がり続けましたが、旅行などの外出・外食への支出が抑えられた分、良いものを作れば、最終的な店頭価格が上がっても売れていく傾向は続いていきました。
ただ、その傾向に陰りが見えてきたのが、今年のクリスマスからの年末商戦だったかと思います。
意外とクリスマス前後は苦しい傾向でしたが、年末年始は好調。しかし、1品単価の上昇は鈍化しました。
帰省がコロナ前の水準に戻ったとのこともあり、人流は確かに増えましたが、限られた予算で使うタイミングと財布のひもを締めるタイミングがハッキリしていたと思います。
ちなみに、今は居酒屋以外の外食産業は概ね好調な推移になっているようです。
しかし、居酒屋が未だ苦戦中なのは、コロナ禍で忘新年会など所謂”飲みにケーション習慣”が戻り切っていないという背景が考えられます。
アフターコロナとは言え、実際には水面下では定期的に流行の波は来ますし、私の心情的にもウィルスを貰うのが嫌なのでアルコールを伴う飲食の場に行くのはNGになってしまいました。
2024年問題の影響は?
2024年と聞くと、真っ先に気になるのが物流業界の働き方改革による人手不足の深刻化です。
2019年に公布・今年4月1日から施行される改正労働基準法によって、自動車運転の業務に関わる労働者の年間の時間外労働が960時間に制限されました。
月当たりに直すと80時間の残業なのでそれでも凄い時間に感じます。
それでも今までより労働環境の改善になれば就業したい人も増えるのでは…と思いきや、この2024年問題で起きる可能性があることは大きく以下の3つ。
- 運べる荷物の総量が減る⇒届けられる回数が減る、納期が長くなる
- 輸送運賃が上昇
- 残業が減ることで賃金も減る⇒離職に繋がる
と、人手不足を加速させる要因を含んでしまっています。
①・②・③はそれぞれ相関関係にありますが、②の運賃上昇はまだ良いです。
個人的には、秋田にあって深刻なのは①・③の2つだと思っています。
Amazonなど通販を利用する方も多いと思いますが、注文して翌日入荷…と言うのが何時まで維持できるのか。
また、実店舗に於いても、発注してから納品になるまでの時間が今は2日前の物が3日前、4日前…になったりする可能性があります。
そうなった時に、今より不便になるのは確実なので、都会ほどモノが溢れていない田舎の暮らしはより敬遠されるかもしれません。
小売り業界としては、企業の枠を超えて物流拠点を作るような協議や動きもあるので、今後の対策を見ていきたいと思います。
減るのは人口だけでない
秋田県の人口が昨年1年間で1万6千人減ったそうです。
結果、24年1月1日時点の秋田県の人口は909,501人となり、今年中に90万人を割ることが確実です。
そして、人口減少の中でも増えてきた世帯数も、とうとう減少に転じました。
人口が減っても世帯数が増えた中では、その分だけ食卓が増えるので、食品小売り業界では業績を伸ばせる環境にあったのですが、これからは本格的にお客様の取り合いへ移行していくはずです。
また、働き手も同様に取り合いになるので、時給は上がっていくと思います。
ただし、人件費上昇に耐えられなかったり、人手を確保できなかったりという原因で起こる人的要因による企業倒産は今後更に増えるはずです。
でも、人手不足とは事業所過多という可能性もあるんじゃないかなと…個人的には考えています。
値上げは恐らく続きます!
昨年末、比較的物価高のピークアウトだったり、どこぞのスーパーやレストランが値下げしましたとかいうニュースを目にする機会が多かったです。
ただ、本来であれば値下げできる要因はあまりありませんでした。
要因をあげれば…
- 災害
- 異常気象
- 魚をはじめとする品物不足
- 戦争
- 海上輸送の不安
- 円安
- 人件費上昇
- 運賃上昇…
などキリがありません。
もしかすると長い目で見れば、商品を値下げするよりも従業員の給料を上げて、人材の確保を進めた方が企業として最終的に生き残れるかもしれません。
実際に、新年度4月からの値上げ要請は既に数件届いていますし、企業としては利益をしっかり確保しないといけないので、上がった原材料費・光熱費などの分や、賃上げの為の原資のため、引き続き価格へ転嫁して行かざるを得ないと思います。
しかし一方で、年末商戦やその後の傾向から、財布の紐はどんどん固くなっていくことが予想されます。
なので、値上げ分をどうやって吸収するか、いっそ別の商品に変えるか…等、頭が痛い状況は依然として続きますが、上手く対応していくことが生き残る道なのかなと考えています。
まとめ
と言うことで、年明け1か月間で入って来た情報が多すぎたので、新年度に向けての整理と言うことでこの場を借りてまとめてみました。
- 2024年度は完全なアフターコロナも、元に戻らない(と思われる)業種もある
- 物流の人手不足がより深刻に?不便さを許容できる
- 人口だけでなく世帯数も減少。生き残りをかけた企業間サバイバルが激化
- 値上げはまだまだ続く予想
インフレ自体は相対的に借金の減少にもなるので、金利上昇は困りますが、必ずしも悪いことではないと個人的には思っています。
ただ、条件として、賃上げがきちんと可処分所得の上昇につながることですね。
私も一応の定年まで20年を切りました。
ずっと走りながら仕事をしてきましたが、体調もずっと優れないこともあって、以前のように無理やり追い込んで仕事もできなくなりました。ここから収入を上げるにはどうしたら良いだろう。
また、老後についてそろそろ真剣に考えていかないといけないなと、改めて実感した今日この頃です。
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