秋田県の代表的な湖と言えば、北は十和田湖・南(というか位置的には中央部ですが)は田沢湖ですね。
それぞれ周辺地域も含めて観光地として人を惹きつける魅力と特徴があり、ハイシーズンともなるとお客さんが集まってきます。
ただ、田沢湖に流れ込む玉川の上流には、春~夏に差し掛かるような今の時期だけ現れる絶景ポイントがあります。
それが玉川ダム湖でもある【宝仙湖】です。
実は、昨年、関東のローカル番組で絶景ポイントとして紹介され、以前Twitterに上げていた私の写真が使われるという個人的なニュースがありました。
漸く春と夏のビフォーアフターが揃いましたので、紹介したいと思います。
宝仙湖とは?
秋田県南地域を流れ、秋田市で海にそそぐ雄物川水系において、玉川は【雄物川四大河川】として非常に重要な河川です。
1950年(昭和25年)の国土総合開発法の施行に伴い雄物川水系は「阿仁田沢特定地域総合開発計画」の対象となり、河川総合開発事業が実施されました。しかし、雄物川本川にはダム建設の適地が無く、支流にダムを建設し治水・利水を図ろうとしたところで、玉川もその対象になり開発が進みました。
玉川ダムの下流にも先に作られた鎧畑ダムがありますが、こちらは水力発電・洪水調整の機能のみで、下流地域の開発が進むにつれて、より高度な機能を持ったダムの建設が必要になり、玉川ダムが作られる運びになりました。
現在の貯水容量は、東北で第3位という大規模なダム工事で、水没戸数は118戸・129世帯にも及んだこともあり、工事は難航しましたが1990年に無事完成。
それに伴い形成されたダム湖は一般公募により【宝仙湖】と名付けられました。水没した地域が【宝仙平】という名前だったということも大きな決め手だったのでしょう。
この玉川ダムには以下のような機能を持っています。
- 洪水調整
- 雄物川流域の農業用水の供給
- 秋田市への上水道・工業用水道の供給
- 水力発電
- 玉川酸性水中和処理施設
と、代表的な機能だけでもこれだけ多岐に渡っています。
おススメポイント 玉川大橋
玉川ダム事務所に隣接する形で【宝仙湖展望台】も設置されていますが、私は玉川大橋から望む風景が一番好きです。
ただ、ここには駐車スペースなどがないので車の往来には十分注意が必要です。
今回はフラっと予定外の来訪で、日もほぼ落ちた午後6時過ぎ、天候もあまり良い状況ではありませんでした。
スマホカメラの明るさを上げて撮影し、撮影時の自分の印象に近づけるためにGoogle Photo上でもフィルターを少しかけさせていただきました。
本当の見ごろはもう少し水が引けた状態なのかもしれませんが、水没林の片鱗は十分に感じられると思います。
●初夏・2022年5月上旬撮影
●晩夏:2020年8月下旬撮影
8月だと緑が生い茂り、川の流れがハッキリ分かりますね。
しかし、RPGゲームのフィールド風景のようで、夏は夏の美しさがあると思っています。
同じく玉川大橋上の反対側の風景がコチラです。
●初夏・2022年5月上旬撮影
●晩夏:2020年8月下旬撮影
山の形から大体同じアングルで撮れていることが分かるかと思います。
日も落ちて暗くなってくる時間だったので、水の色の鮮やかさが伝えきれませんが、正にきれいな”水色”をしています。
その水色の秘密は、上記の主なダムの機能でもある玉川酸性水中和処理によるものです。
玉川はダムのもっと上流で湧き出る温泉が強烈な酸性(pHはなんと1.1!)で、古くは魚も住めず、稲も枯らす”玉川毒水”と呼ばれ問題になってきました。
現在では、玉川ダムで石灰を投入することで中性に近付けて下流に流すことで、毒水の汚名は返上されて田沢湖の水質も改善に成功しました。そして宝仙湖、更にその下流の秋扇湖(鎧畑ダム湖)も綺麗な水色を呈しています。
良く晴れた日は本当にきれいな色を見せてくれるので、お越しの際は天気予報をしっかりチェックしておきましょう。
まとめ・アクセス方法
仙北市の【宝仙湖】について紹介してみました。
- 東北第3位・全国でも屈指の大きさを誇るダム湖で、非常にたくさんの方々の暮らしを支えている
- 初夏と夏以降で大きく変わる風景が魅力
- 周辺にもレジャースポットが多数あり!
盛岡市・秋田市 ~ 田沢湖周辺 を通るルートなら、1日の最後に宝仙湖を眺めながら、更にその上流の玉川温泉への宿泊も良いと思います。
夏ならそのまま国道341号線を通って鹿角市方面にも抜けることも可能ですし、色々ルートを組み立てることもできますね。
ただ、ナウティスを見ていると今年は5月3日でも降雪があったようですし、通行には十分注意しましょう。
●主なアクセス方法
車
・北秋田市鷹巣から
国道105号線~阿仁方面へ抜けて一旦田沢湖方面へ。国道341号線を北上し、約2時間の道程です。
・岩手県側からだと
東北自動車道盛岡ICより国道46号線と国道341号線経由で約85分
公共交通機関
JR田沢湖駅前より羽後交通バス「急行八幡平線」を利用、宝仙湖展望台にて下車、徒歩5分(所要時間50分)
※冬期間は「急行新玉川線」利用
コメント
コメント一覧 (2件)
宝仙湖には夏と秋に出かけることが多いのですが、すばらしい光景に目を見張ります。特に秋の紅葉たるや❗ 展望台で何時間でも見ていられます。
コメントありがとうございます!
私が初めてこの光景に出会ったのが夏でしたが、本当に目を奪われました。
秋の紅葉の時期もまた別の絶景が見られそうですね。
今年は是非秋にも伺いたいと思います。