今年の冬はここ2年間と違い、最初から雪が全力で降っています。
北秋田市鷹巣は比較的平和だとは言え、執筆当時の積雪は約35cmと例年の3倍程度です。昨年が異常に雪が少なかったので、12月にして昨年の1シーズン分雪かきをしてしまったような気がしています。
因みに過去の積雪の最高記録は130cmで2012年1月30日のこと。更に今の3倍以上と言うのがどうにも信じられません。
しかし、災害になる位に降り積もるのも大変困りますが、雪がある故に受けられる恵みがあることもまた事実。
春を迎えると里山に降り積もった雪も徐々に溶け、その水が川として里に流れ、生活用水だったり農業用水になります。また、その一部は地下に潜り、もう一度地表に染み出して来る時には湧き水に分類されていきます。
美郷町六郷の湧水群がやはり秋田県内では大規模なものですが、北秋田市近辺にも地域に密着した湧き水が幾つかあります。
雪が溶けたら本格的に回ってみようと思っていますが、差し当たり我が家から一番近いであろうところにある【小森の大清水】を紹介します。
概要
国道105号線を鷹巣から森吉方面へ南下し、秋田北空港へ向かう道路との交差点に入り、集落へかかる橋を渡ります。道なりに下って行き、丁字路に当たると右手にその湧水地がありました。
集落の中心部にあり、古くから水温の変わらない別名【おしずの水】として生活に利用されて来たそうです。
六段に分かれたそれぞれのマスには、一番上のパイプから流れ出た湧き水で満たされておりました。今でも現役で使われている感じで、コップ・清掃用具・生活用品が置かれています。
とは言え、コップを使うのはちょっと勇気が要るので、持参したペットボトルでいただくことにしました。
夏に来たならば、冷たくて気持ち良さそうな水温ですが、冬の今となっては寧ろ温かみを感じる位の水温でした。飲特段クセもなく飲料水として美味しくいただくことができました。
水質に関して
この湧き水に関しての基本的なデータは以下の通りです(測定日H18.9.6)
因みに以下の数値は図書館で見つけた本から引用させていただいております。
- 飲用:可能
- 水温:12.6℃
- pH:6.53
- EC:126μS/cm
*ECは電気伝導率のことで、電気の通しやすさを表しています。値が大きいほど水中に溶けているミネラル分が多いとも言えます。軟水が一般的な日本は少な目のものが好まれるようです。日本の一般的な河川だとEC値は約110μS/cm、海水だと45,000μS/cm位になるそうです。
比較的河川の水に近く極端なpH値でもないので、特段多く摂取しても問題はないと言えそうです。
周辺情報
余った湧き水は、隣に注ぎ込み防火池だったり農業にも利用されているようです。水が抜けるのを防いでいるのか、ビニールシートが沈められており、地域住民に拠って保全されている様子も見受けられます。
少し離れた斜面には祠があり、水神様が祀られているそうです。
小森集落は、天正19(1591)年の出羽国秋田郡知行目録写(秋田家文書)にも記録が残るほどに古い歴史を持つ集落ですが、水源地の更に上方では土器や石器も多く出土しているとのことです。残る記録よりももっと古くから、地域の住人を潤していたのでしょうか…?
アクセス・注意点
住所:〒018-3451 秋田県北秋田市小森小森79
周辺に駐車場はありませんので、路上駐車をする形になります。道も広くはないので、長居をしないようにしましょう。
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