鷹巣から弘前に行く時に以前から気になっていたスポットがあります。
高速を大館北ICで降りた後、国道7号線を青森方面へ北上していると、基本的には左右は杉林で埋め尽くされています。ところが、風穴ドライブインや長走風穴を過ぎた辺り、鉄塔が見える麓は作業の為か、車を停められる位に開けた場所があるのですが…
GoogleMapのストリートビューだとこんな感じになります。
ただ、ちょっと気になることが1つ。木々や草に紛れて何か白いものが見えること。
近くにまで行くと何となく人のような像が見えてきます。一見、何もない峠道だと思って走っているので、唐突なオブジェの登場には正直ドキッとさせられました。
確かめてみる
唐突に現れた像が何なのか、確かめるために傍らの空き地に車を停めて近付いてみます。
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ごめんなさい、正直怖いです。
着ている服だったり、髪のカタチだったりという部分から読み取れるのは、男女が向かい合って座っている状態を模ったものです。
ただし、距離がとても近いです。
濃厚接触状態と言えそうなので、今時期はちょっと自粛が必要なのではないかと思います。そして頭のボツボツ部分を見ていると、何とも言えない気分になります。蓮コラが苦手な方はダメなやつでしょう。
そして男の子の方は、何故かお金を持たされていました。多分、私の様に気になって近付いた人が置いていったんだと思います。
そしてこの男女の像から少し外れると、コチラもかなり朽ちている更なるオブジェ群が出てきます。何となく分かるのは、ツルを模した像だけです。一番目立っている人物像らしきものは、手掛かりになりそうな文字が一部剥がれていて全容を明かしてくれません。
【● 蜂 ● 究 家 胸 像】
”研究家”胸像だというのは何となく想像が付きますが、最初の空白がどうしても分かりませんでした。更に、その隣の像に至っては首だけがない状態で、最早呪われそうな気配まで出しています。
ここは何なのか?
改めてGoogleMapで近くの地域を見てみますと…
中田養蜂研究所という施設が記載されています。これらのオブジェの後ろ、道は草木にすっかり隠されているので、近付くのはもはや難しそうですが、崩れている家屋も見られます。
というと、先ほどの…
この像のタイトルは【養蜂研究家胸像】で決まりそうです。
そしてこの養蜂研究所を調べてみると、開所時期は定かではないですが1970年代にはこれらのオブジェ群は存在していたようです。その後、1989年に養蜂所を営む傍らオブジェを作成していたご主人が亡くなったのを契機に、養蜂自体は止められてしまったようです。
オブジェも以前はもっと沢山あったようですが、人に譲渡したり、年月によって風化していき、現在は数体を残すのみとなっています。
ただ、気になるのが…この記事を執筆した2020年5月現在でGoogleMap・ストリートビューが用いているデータは2018年6月に撮影したものです。その時よりも明らかに男女の像が色鮮やかになっています。
…ということは、誰かが手を加えている、という逆算が成り立ちます。
情報によると、家屋も倒壊していて一見打ち捨てられているように見えるこの物件には管理者がいるということ。なので、悪戯や破壊行為は罪に問われるので、眺めるだけにしましょう。と言っても、正直バチが当たりそうなのでそんなことはできないと思います。
在りし日の中田養蜂研究所の写真
10~20年前の写真が意外とネット上には残っています。ジャンルとしては珍百景とか廃墟というラインに分類されているようです。
●八画文化会館 様
●廃墟検索地図 様
今は朽ちて少なくなってしまった像も、鮮やかな色を保っていた時はちょっと面白いホッコリするような雰囲気が出ていますね。
まとめ
大館市長走長走(誤植でない…本当に長走が2回続くのです)にある中田養蜂研究所さんの像について調べてみました。
一生懸命作られて管理までされていたとは思いますが、ここ10数年ですっかり様変わりした様子が見て取れました。人の手が加わらないと、自然に侵食されるスピードはここまで早いのかと、諸行無常を感じさせられました。
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