コロナウィルスのお陰で、この時期に行う【なべっこ遠足】という恒例行事をすっかり忘れておりました。
秋田県(中央/秋田市内はよく分からないですが、県北・県南はまぁ確実に)の小学生の”秋の遠足”は単なるお出かけではないのでした。
しかも他県出身の方と話していると、これがどうも外にはあまりない独特な文化らしいので、かいつまんで紹介してみたいです。
なべっこ遠足とは?
”なべ”は鍋。
”っこ”は、名詞の末尾に割と何でも”っこ”をつける秋田弁ならではの表現がくっついたもの…と思っております。
実りの秋を迎えた秋田では、子供たちだけで鍋を作って野外で食べるという行事があります。
場所は様々で、遠足で出かけた先だったり、私の時は学校の堤防周辺~グラウンドで行っていた記憶があります。
山形や宮城でも芋煮などの風習はありますし、スーパーマーケットなどでも貸し出し用の鍋が用意されていたりと、似たような行事はありますが、”子供たちだけで”と言うポイントが他県との大きな違いかなと思います。
当然、火を使うので本当に子供だけで、と言うわけではなく、キチンと監督役 兼 補助役で先生や大人のサポートがあります。
どんな鍋を作るの?
基本、なんでもOKです。
郷土料理である、きりたんぽ、だまこ鍋、いものこ汁などその地域で最もメジャーに食べられていると思われる、鍋料理がもちろん中心になりますが・・・
このメニューはダメ!
と言うこともないので、豚汁やカレー、シチューなど好きなものを作ってOKです。
実際に遠足の場で作るメニューを決めて、材料を用意し、当日作る・・・と言ったプロセスは以下の手順を踏んでいきます。
メニュー・準備のプロセス
チーム=縦割り班で
ウチの小学校だけかもしれませんが・・・
小学校の掃除の班決めって、6年生~1年生までできるだけ全学年が1名以上いる感じで、所謂”縦割り班”になっていませんか?
なべっこ遠足についても同じ感じで班を決めて、6年生がリーダー・5年生が副リーダーとして作戦を決めていきます。
- 何を作ろうか?
- メニューが決まったら何をどの位用意するか決める
- 役割分担はどうする?
ここでいう役割分担ですが、できることの多い上級生に対して、
まだまだ小さな1年生や2年生にも何かできることがあるの?
と思われるかもしれませんが・・・
準備・役割分担
きりたんぽ鍋を作ると決まった場合、用意するものはこれだけあります。
- きりたんぽ
- マイタケ
- ごぼう
- こんにゃく
- セリ
- 鶏肉
- しょうゆ等調味料
ガチ勢は鶏ガラから出汁を取るところから始め、出汁を取った鶏ガラに僅かに残ったお肉をむしって食べるまでがセットです。
他にも、場合によっては、かまど用の穴あき一斗缶(横図のような感じの)、鍋、ライター、水、燃料の薪や炭、食器、調理器具なども用意するところから始めます。
と言うわけで、持ってくるものが非常に多いので、これらを誰がどれをどの位持ってくるか、という割り振りを行います。
その中で、下級生にも材料を用意したり水汲みなどの軽作業をを割り振ることで、しっかりと参加意識を持たせるという仕掛けがあります。
そして包丁を使ったり、火起こしなどの危険を伴いかねない作業は上級生の役割でした。
しかし、これだけ人数や用意するものがあると、何かしら忘れ物が発生するもの。
その対応として、先生が予備の材料や道具を持っていたり、不測の事態に備えて色んな班を見て回るという流れだったと思います。
北秋田市で気軽に楽しむには?
北秋田市【北欧の杜公園】に”なべっこ広場”というコーナーが存在しています。
主な設備・用意するもの
- いす・テーブル
- コンロ代わりの竈
- 洗い場
洗い場は1か所で共用、椅子・テーブル・竈は6組あります。
設備としては最低限かと思いますが、コンロや椅子・テーブルなどは持っていかなくても良いので、少し荷物が軽減されますね。
- 食材
- 洗い物グッズ(洗剤・スポンジ・たわし等)
- 鉄板・焼き網・鍋など
- 炭・薪など
- 着火材
- ライター
- クーラーボックス
- 保冷材・氷
- トング・炭ばさみ
- 調理道具
- 皿・コップ
- ゴミ袋
着火剤については、杉の葉が園内にも落ちているので、集められれば少し予算も軽減。他にもよく乾燥した松ぼっくりも着火剤として利用できますね。
ゴミや燃えカスはきれいにして持ち帰るのがルールです。
利用方法
まずは空いている場所を先に確保してから、パークセンターで利用受付をするようです。
今回は街の子ども会育成連合会の行事として参加したので、役員の方々が確保していただけておりました。子ども会以外にも数組の利用があり、レジャーとしてもしっかり定着している感じでしたね。
片付けやゴミの持ち帰りは当然自前になりますが、無料で気軽に使えるのが嬉しいですね。
まとめ
秋田県の子供たちにとっては秋の一大イベント【なべっこ遠足】について、簡単ですが思い出を交えて紹介してみました。
- 上級生~下級生まで役割と責任を持って参加する行事
- もちろん大人になってからもアウトドア料理として楽しめる!
- 気軽に楽しむなら北欧の杜・なべっこ広場がおススメ!
計画立案~実行まで子どもたちで行うことで達成感もより大きなものになるでしょうし、忘れ物をしたらみんなに迷惑をかけるという意識はプレッシャーでもありますが責任感を養うのにもつながると思います。
リーダー役の上級生が下級生にどうやって正しく役割を伝えるかも考えないといけませんし、コミュニケーション能力を培うツールとして非常に大事な行事だと思います。
そして、これをまとめていて思ったのですが、ウチのような少人数の学校だと、必然的にリーダー経験を積む機会が増えるんだなと思いました。
果たしてその結果は・・・と言うと。
私自身は、同じ町内に上級生が少なかったために、割と早いタイミングでリーダー役を任せられ続けられてきましたが、
正直、参謀役が適任だよなぁ
という今に至ります。やっぱり・・・適正は人それぞれですね。
まとまっておらず申し訳ありませんが、コミュニケツール・レジャーとして、ぜひ”なべっこ”を楽しんでみてください!
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