4月27日(火)、秋田駅前・フォンテAKITAの地下1階食品街に、地元資本のスーパー【ナイス(本社:秋田市)】さんがオープンしました。
駅前の地下食品街と言えば、百貨店が入ったり専門店が軒を連ねたりと、普段買い物するところとは違う一段高級な印象があります。そのため、比較的リーズナブルな路線で勝負しているイメージの同社の出店には少なからず驚かされました。
元々は【秋田ショッピングセンター】として営業されていた同ビル。核店舗として【イトーヨーカドー】が入っておりましたが、2010年10月11日に撤退。それでも2005年には撤退の意思を示していて、寺田知事が慰留する一幕もあったため、大分辛抱されていたように思います。
ヨーカドー撤退後はビル自体の改修も行い、現在の【フォンテAKITA】として再出発。核店舗としては、7&iグループの【ザ・ガーデン自由が丘】が出店。2013年には運営を秋田西武が引継ぎ、地下通路を挟んである意味全部西武になっていましたが、それも2021年2月に営業を終了。
西武百貨店自体も3階部分の売り場の縮小を行ったり、かなり営業状況が厳しかったのだと推測されます。
駅前のショッピングモールの食品街に大きな空白が出来てしまいそうになりましたが、そこを埋めたという部分で、今回の出店は大きな意義があると思います。
買い物にいってみた感想
買い物に行ったのが開店三日後。流石に少しは落ち着いているかと思いきや、狙っていた駐車場は満車状態。
やっぱり秋田駅前で営業する時のネックが、駐車場になりそうだなという感じがありました。秋田駅向かい・フォンテ横の駐車場は満車で、一度戻って公営駐車場に停めて向かうことに。
青果-比較的落ち着いた雰囲気で淡々と
スーパーでは一般的に青果部門は入り口に配置されているので、その店の”顔”という役割も持っています。
季節で移り変わる旬の野菜や果物、メニューのテーマごとに組み合わせて売場を作ったりと様々な演出ができる部門です。また、単純に目玉価格でお客様を惹きつけて入店してもらうという側面もあります。
その為、オープンセールでは何かしら目玉が出てお客様が集まるのですが、比較的この売り場は大人しく、寧ろその後の鮮魚・精肉の方が賑わっている感じでした。
オープンチラシでは、JAたかのすの産直販売も行われるとのことでしたが、残念ながらこの日は見ることができず。
今回は広告に載っていた紅天使の焼き芋を買ってみました。
さつまいもの系統では、ホクホク系とネットリ系がありますが、コチラは圧倒的にネットリ系。甘味が非常に強くて美味しいです。
焼き加減も絶妙でしたが、ちょっと焼きが強い部分は、干し芋のような食感になり、より香ばしさが感じられ私好みです。本来なら寒い時期の味覚ですが、夏に冷やして食べても美味しそうです。
他に気になったのは、冷凍の500g位の業務用カット野菜が充実していること。使いたい時に少しづつ使えるので便利ですね。
鮮魚-ヨーカドー時代から伝統的に強い
コロナ禍でバラ売りがし辛くなったものの、アイスワゴンの上に種類豊富に生魚が陳列されているのは圧巻でしたね。この日はイナダが1尾298円とお買い得になっていましたが、入荷する魚も毎日変わるので、並ぶ魚がどう変わっていくのかが楽しみです。
また、駅前の地下食品街らしく、高級路線もしっかりと品揃えされていましたね。
殻付きのウニが2匹入って2,000円とか、アワビ入りの貝の刺身盛り合わせとか、本マグロのお刺身とか、上質な海の幸が楽しめます。
以前のイトーヨーカドー時代からお魚が強かったそうですし、その後は魚の北辰さんが鮮魚売り場を運営されていました。以前からのお得意様からはどうしても比べられるプレッシャーはあると思いますが、維持してほしいですね。
精肉-上質なお肉大集合
ナイスオリジナル【秋田育ちのあきた黒牛】が一番力が入っていました。一度食べたことがありますが、黒毛和牛と乳牛を掛け合わせた交雑牛ではありますが、甘味のあるお肉でとても美味しかった記憶があります。
他にも、秋田錦牛や八幡平ポーク、アグー豚が取り揃えられており、上質なものを取り揃えられていますね。また、馬刺しは三種町の桜田畜産さんの商品を使われておりました。
お肉類は、基本はPCセンターでの一括製造でお店に届いたのを並べるだけと言う手法をと取られていますが、馬刺しやカットチャーシューなどは店内で加工しているようでした。
また、お肉売場の向かいにある焼き肉のタレの島は、あまり目にすることのない珍しい商品が揃っており、色々試したくなります。
その中でも目を引いたのは、秋田県産牛肉を発酵させて作った肉醤としょっつるを加えて造った諸井醸造さんの焼肉ダレ。
当面は大仙市でのみの販売とのことでしたが、秋田市内でも手に入るのは嬉しいですね。
惣菜-駅チカならではのランチメニュー新登場
お惣菜は鮮魚・精肉に比べると、目新しさや高級志向は感じられませんでしたが、お洒落なランチボウルの丼が目を引きました。
ガパオライスや合鴨の親子丼など、5~6種類どーんと並んでおり、それぞれ1パック358円とお手頃価格になっていました。エスニック系のメニューも少しずつチャレンジするところが出てきていますが、まだまだこれからのジャンル。上手く定着するかどうかは今後も注視です。
そして、お魚が強い分、お寿司も良いネタを使った盛り合わせがたくさんでした。本マグロを使ったネタは中々難しいのですが・・・一段違うお寿司を手軽に味わうなら、ナイスフォンテAKITA店へ!という気合が感じられるコーナーでした。
ちょっと今月はお金を使い過ぎているので、【泪のかっぱ巻き】だけを購入。
千切りキュウリとたっぷりのわさびで巻いた、刺激たっぷりのかっぱ巻きの変化球。本当のかっぱ巻きは、細切りのキュウリを使うと聞いた事がありますし、何処かのデパ地下でもこんなかっぱ巻きがありました。お酒に良く合いそうです。
今後の展望・まとめ
【ナイスフォンテ秋田店】さんを覗いてきました。
元々、車社会・ナチュラルソーシャルディスタンスを兼ね備える秋田のこと。
県庁所在地の駅前であっても、イトーヨーカドー、ザ・ガーデン自由が丘と過去に経営を維持できなかった立地条件を考えると、決して恵まれているとは言えないと思います。
そして、先日の秋田市長選でも焦点になった、今後の秋田市の開発の方向性によっては、更に郊外化が進み、駅前の空洞化が予想されます。その中でも一番影響が大きそうなのは、外旭川地区へのイオンの出店。気になるサイトがコチラ↓
あくまでも私個人の想像ですが・・・
泉外旭川駅の設置は、ブラウブリッツの新たなホームになる新スタジアムや上記イオンの出店を含めた、外旭川地区の開発に向けた布石だと思っています。賛否はあろうとも、穂積市政が続いた以上、何となく既定路線になってそうな感じがあります。その為、数年先を見据えた時には、駅前への出店は中々危険な香りがするわけです。
それでも、今回出店を決められたのは、何らかの勝算があってのことと思います。これからどうなっていくのか、たま~に足を運んで注視していこうと思います。
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