鹿肉の特徴
今回、解体に回った個体は0歳のオスとのことでした。
やっぱり若い個体の方が肉質が柔らかく美味しいようで、この辺はどの動物も同じなんだなと思いました。
- 高タンパク・低脂肪:100gあたり約23gのたんぱく質、脂質はわずか2.4g程度
- 鉄分が豊富:貧血予防に効果的
- ビタミンB群・DHA:疲労回復や脳機能のサポートに役立つ
- 低カロリー:牛肉や豚肉の約1/3のカロリーで、ダイエット中にもおすすめ
これらの特徴からパッと頭に浮かんだのは・・・

馬肉に特徴似てるかも???
と思ったので、色々な肉と比較してみました。
下記が各種赤身肉100gあたりの主な栄養成分比較表です(すべて生・皮なし・脂肪除去済みの部位を基準にしています):
肉の種類 | カロリー (kcal) | たんぱく質 (g) | 脂質 (g) | 炭水化物 (g) | 鉄分 (mg) |
---|---|---|---|---|---|
鹿肉(赤肉) | 102 | 22.3 | 1.5 | 0.5 | 3.1 |
鶏むね肉(皮なし) | 105 | 23.3 | 1.9 | 0.1 | 0.3 |
牛もも赤身 | 117 | 21.2 | 4.3 | 0.4 | 2.8 |
豚もも赤身 | 119 | 22.1 | 3.6 | 0.2 | 0.9 |
馬肉(赤肉) | 102 | 20.1 | 2.5 | 0.3 | 4.3 |
ラムもも肉 | 182 | 20.0 | 12.0 | 0.1 | 2.0 |
という訳で、主要な栄養成分を比べてみると、比較的低カロリー・低脂質・鉄分が豊富と言うことで、鹿肉と馬肉は共通点がありそうでした。
焼いてみた
まずはロース肉…シンプルにミディアム位のステーキにしたいところですが、食べなれていないものですし、しっかり火を通していくことに。


まずは、下味付けの前に筋切り&味を浸透させるために、フォークで肉に穴をあけてみました。
そして調味料ですが…




岩手県八幡平市・もとみやさんの麹ソルト、あと仕事で使おうとサンプルをいただいていたハナマルキさんのハーブ&スパイスで試してみることに。
表面に摺りこんで、冷蔵庫内で1日保管。
ただ、子供たちも食べるので全体的にしっかり火を通すことになったので、ここから更にひと口大にスライスしていくことになってしまいました。
だったら最初からスライスしておけば良かったなとちょっと後悔。
そして、過不足なく焼き上げてみましたが…


どちらも美味しくいただくことができました!
ハーブ&スパイスは、ちょっとクセがあるお肉と良く合いそうですが、これは小売りもしているのかな?
若い鹿肉はクセがないので、シンプルに塩だけ、または塩胡椒だけというのが良く合いそうですね。
煮込んでみた


前足から解体したスネ肉部分は、他の畜種同様に煮込むことにしました。
とは言え、持ち帰った時に入れた袋の中は、色んな肉がごった返しているので、きちんと分けられたかは分かりません。


鹿肉のレシピを調べると、低温調理が結構な頻度で出てきますが、鶏レアチャーシューの件もありますし、今回は回避。
ストレスをできるだけ加えずに緩やかに加熱する意味だと、炊飯器での煮込みも合致しそうです。
という訳で、まずはシンプルに水と生姜だけで下茹でを約2時間。


下茹でが終わったら鍋に移して、味噌、醤油、ちょっとだけ豆板醤を加えて煮込んでみましたが…


馬肉の煮込みよりも、スジが気にならず、柔らかく仕上がっていました!
表面の固そうな膜もトリミングせずに、そのままぶつ切りにして煮込んでしまいましたが、その辺も特段気になることはありませんでした。
最後に
という訳で、若い鹿のお肉は、子供たちも普通に食べる位、柔らかくクセが少ないお肉でした。
ただ、調理後の鍋やフライパンは熱い内に油をふき取った方が良いと思いました。
と言うのも、鹿の脂の融点は55~63℃と他のお肉よりも高いためか、一回冷えて固まると、中々頑固にへばりついて取りにくいのでした。
お湯で…と思いつつも、給湯器も43℃位の設定なので、少し柔らかくなるくらいで洗い物に苦労してしまいました。
※畜種別 脂肪の融点比較表(目安)
畜種 | 脂肪の融点(℃) | 特徴・補足説明 |
---|---|---|
🦌 鹿肉 | 約55℃ | 非常に高く、冷めると固まりやすい。食用には不向きとされることも。 |
🐓 鶏むね肉 | 約30〜32℃ | 体温以下で溶けるため、口どけが良く冷めても脂が気になりにくい。 |
🐄 牛赤身 | 約40〜50℃ | 部位や品種により差あり。和牛はやや低めで口溶けが良い。 |
🐖 豚赤身 | 約33〜46℃ | 比較的低めで、脂が甘く感じられる。ラードの融点は約33℃。 |
🐎 馬肉 | 約30〜43℃ | 口どけが良く、脂がしつこくない。脂の甘みが特徴。 |
🐑 ラム肉 | 約44〜55℃ | 高めの融点で、体温では溶けにくい。冷めると脂が固まりやすい。 |
※出典:Toco’s Kitchen、かつらの丘ジビエ工房、肉の大栄 など各種調理科学・畜産情報より
北秋田市にも鹿が増えてきたということを初めて学習できましたし、これから更に安定的な食糧の供給が不透明になる中で、上手くジビエが活用されるようになると良いなと感じました。
また鹿以外にも、熊やイノシシなど北秋田市で暴れている動物たちを食べるイベントなどあれば参加してみたいですね。
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