先日の北鹿新聞の誌面で、鷹巣中央小学校と鷹巣南小学校が統合し、現在の南中学校の校舎を改修した後に入ってからの新しい小学校名が決まらない旨の記事を見つけました。
2021年4月には決まっていないといけない名前なのに大変だなぁと思いつつも、もう一度ある鷹巣町内の小学校の統合には私の住む学区も関係するので、決して対岸の火事ではありません。しかも3校統合の上、新校舎に入ることになるので、更に苦労しそうな気配もあります。
しかし、この件に関しては全くの部外者の私。
ヘタに触れてしまうと、様々な関係者から怒りを買ってしまいそうな恐れはありますが、少し考えておこうと思いました。将来的に校名を決める部会に参加していたりする可能性も全くないとも言い切れないので…。
新しい校名候補が決まるまで
以下は1月23日・北鹿新聞の誌面から引用をさせていただきながら纏めます。
新しい校名は、統合準備委員会(両学校のPTAや地域の代表者、事務局の市教委で造る委員会)により、昨年8月下旬までには両学区の児童・保護者・住民・卒業生を対象に新しい小学校の校名が公募され、73点の候補が集まりました。
その後、両小学校区の全世帯を対象に投票が実施され、その結果、おさるべ小学校が最も多くの票を集めたとのことです。5位までの結果を下にまとめてみました。
全1,574世帯に対して投票数は795票で投票率は50.5%でした。その内、1位のおさるべ小は21.5%の得票率で、漢字のものと合わせると約3分の1の票を集めたことになります。投票されなかった世帯も合わせると、全体の17%程度になります。
そして、この結果が12月26日の市教育委員会で報告、協議され、おさるべ小を第1案として満場一致でその場では決まったそうです。その後、2月下旬の定例議会で条例改正案が提出され、議決を経て正式決定される段取りであったようですが、この案に反対する両校の保護者で作る【おさるべの名称再考を望む親の会】が署名活動を行い、集まった733名分の署名とともに再考の要望書を1月22日に市教委に提出したことで、再協議の運びとなっています。
反対の理由として以下の事項が挙げられています。
- 南小学校の前身で小猿部小学校が明治時代に存在し、南小学校のイメージが強いので、新しい学校にはふさわしくない
- 子供たちが不安に思っている-”さる小”と呼ばれちゃうのでは…?
- 保護者の多くが決定の経緯と方法に不満や疑問がある
子供たちが不安に思っている…は何なんだろうと思っていると、こんな感じか…と。でも”猿”が付く学校は他にもありますし(東京都渋谷区・猿楽小学校、他にも廃校になった上越市小猿屋小学校)、その学校に通う生徒たちは苦痛に思っている(いた)のかと言うとどうなんだろうと思います。
後、こんな事例も…廃校活用のプロジェクトですが。。。
この時点での疑問
署名に参加した方は?
733名もの署名を集めたとなると凄い数ではありますが、署名活動は学区の内外で行われていたようです。名前の応募・投票は、中央小学校・南小学校の学区内にある世帯や卒業生を対象に行われていますが、733名の内直接的な関係者はどの位いたのだろうかと思います。
ただし、おさるべ小・小猿部小に投票した世帯は、反対署名をしないでしょうけど、、、とも思いますが、祖父ちゃんが勝手に出したとか、投票世帯に於いても軋轢が働いている可能性も考えられます。
結局、落としどころはあるの?
1月30日付の北鹿新聞の記事です。
要望書の提出を受けた臨時の統合準備委員会が開かれ、対応が協議されました。この部会でも委員で賛否両論が分かれ今回では対応がまとまらず、再度3月中に委員会が再び開かれるそうです。
ただ、学校で児童を対象に取ったアンケートでは、中央小学校で8割・南小学校では5割の児童ががおさるべ小に反対しているというデータも得られています。上記の投票結果と、このアンケート結果の乖離は何処からくるのか…というの疑問に思います。乖離の原因によってはこれを元に一気に再考の流れに傾き兼ねない気もします。
とは言え、皆が納得するような名前はそうそう出てこないことは想像に難くありません。
校名決定の事例を受けて
これまで統合されてきた新しい学校名のパターンは以下が多いようです。
- 学区全体の地域にゆかりのある名前(地名・町の花等)
- 過去の歴史・育みも加味する
- どのように未来を紡いでいきたいか
- 統合前の何れかの学校のイメージが強い名前は避ける
いっそ上位下達的に真新しい名前にしてしまうともめ事も少ないような気もしますが、何となく余計に違和感があったり、ともすれば無機質な名前になってしまいがちです。新興住宅街の地名で例えると、希望ヶ丘とかそんな感じになります。
校名を決めるために今後は…
と言ったところで、おさるべ小を改めて考えると、個人的には収まりが良い名前だと思います。
- 学区内を流れる小猿部川に因んだ名前であること。
- 小猿部自体には、過去・明治時代には同じ名前の小学校があったかもしれないが、もっと過去には伊勢堂岱遺跡が造られた縄文時代からこの地域の暮らしを支えている一級河川であること。
- また、おさるべ=【湿原でヨシなどが生えている場所】という意味を持ち、語源はアイヌ語。長年感じで親しまれているものの、あくまでも当て字のようなもので”猿”はあまり関係ないようです。
と言った大きな歴史や語源をもう少し広報した上で、比較的投票数の多い他の候補と共に再投票を行うのが最適と私は考えます。
また、過去から未来という観点では、伊勢堂岱遺跡を含む北海道・東北の縄文遺跡群が世界遺産の候補になっていますが、伊勢堂岱遺跡と関りを持つ川の名前が校名に入るというのは良いことだと思いますが…地域をより深く子供の内から学ぶ機会にもなりそうだと考えます。
あくまでも無難で行くなら…得票第3位の青鷹小なのでしょうが、北秋田市小森~大館能代空港へ向かう道路に架かっている橋(希鷹橋とか)の様な印象があります。青=若々しいとかいうイメージもあるので、決して悪くない名前だとは思います。
まとめというか願い
部外者ですが、色々とりとめもなく感じたこと・考えたことを書き連ねてみました。
日本語はどうしても漢字字体に意味を見出しますし、名前も個人の其々の想いもあり、非常に難しい問題で、本来関係のない私が想いを述べるのは控えておこうとも思いました。でもどうしても疑問が多々あり、敢えて波紋を広げてみようかなと思いました。お叱りも覚悟しています。
個人的にはおさるべ小も良いと思いますが、いずれにしても最終的な願いは、名前がどうこうではなく子供たちが新しい校舎に新しい気持ちで入ることができること。私自身は偶然にも小・中ともに新校舎に入ることを経験し、やはり嬉しかったことを思い出します。
現在の南中学校の校舎を改修して使うとは言え、新しい校舎・新しい校名を子供たちは楽しみにしていると思います。元々それぞれの文化がある学校同士がくっつくので、万事順調にいくとは思いませんが、子供たちの生活に支障をきたすような事態は避けたいものだと願っています。
コメント
コメント一覧 (2件)
学区外の保護者なので、あまり口出しできませんが…
北鹿と秋北新聞の報道から判断する限りでは、私もほほ同意見です。決定プロセスも丁寧で、しっかり児童の意見も反映されたはず。
「小猿部」という由緒正しい地名がそんなに嘲笑の的になるというなら、まずは郷土の地名に誇りを持てるようにしっかり学習するのが先決。南中でも「おさるべ」の名を冠した行事がありますし、沢口と七日市を総称するのにふさわしい名前だと思います。
ご意見、ありがとうございます。
私自身が小学生の時にも、社会で地域の勉強はしましたが、地名の謂れなどそこまで深く学習しなかったと思います。実際は教わってはいた可能性もありますが、興味を示さなかったのでしょう。
私は大人になり、このブログを始めてから、郷土を改めて見直す機会ができました。そういった意味では、語感だけで反応してしまった児童たちに、名前の意味をきちんと説明できる親も少ないのだと思います。まずは大人が地域をきちんと知ることが先なのかもしれませんね。
私の父親が南小~南中なので、その辺聞いてみようと思っています。