昨年・平成30年4月に北秋田市のごみ処理施設が新設、稼働開始をしました。旧施設の焼却炉が耐用年数を超えたための計画的な整備と建設でした。新しい施設では、より周辺環境に配慮して公害を出さないための工夫や、資源循環型社会の構築へ向けた仕組みが備えらえています。
とは言え、普段生活していて恩恵に預かっているものの、実際に施設を見る機会もなく過ごしています。予約をすれば施設見学の受け入れもしていただけますが、平日開催・5名以上~60人以下という条件で1週間前まで予約が必要と言うこともあり、個人では中々足は向きません。
ところが先日、小学校を通じてエコフェスタの広告を貰ったので、次男が行きたがっていたこともあり、2人で社会科見学に行ってきました。
施設概要
北秋田市・クリーンリサイクルセンターは大きく分けて2つの機能を持っています。1つ目は可燃ごみを焼却処分する従来のゴミ処理施設、2つ目は集められたゴミからもう一度使えるものを回収して資源化するリサイクルセンターです。
特に注目したいのは1つ目。可燃ごみ可燃ゴミの焼却時に発生した熱が施設内で利用されている点で、エネルギー回収推進施設という銘が打たれています。こんな仕組みは、能代火力発電所でも似たような事例がありましたね。
エネルギー回収推進施設
ゴミの受け入れを行うプラットフォームです。
街中を走るゴミ収集車が集めたゴミはここからピット(貯蔵スペースの穴)に投入されます。搬入口にはエアカーテンが設置され、出入りの際に空気の壁ができることで、ゴミの臭いが外に漏れないようにという周辺環境に配慮されています。
ピットに貯められたゴミは拡販されたのち、クレーンによってごみ投入ホッパーへ投入され、焼却炉へ運ばれていきます。
ピットには北秋田市で出るゴミを平均値で約9日分貯めることができるそうです。この量は体積にして約2,500㎥・25mプールで5杯分になります。逆算すると1日平均で25mプールが半分ちょっと埋まる量のゴミが北秋田市で出されているということになりますね。
因みに、日本全国で1日に出されるごみの量は、同じく25mプールの換算で1,150杯分になるらしいです。
こちらが焼却炉です。
処理能力は1時間当たり約1.5tの炉が2機で、1日・16時間稼働で約50tのゴミを焼却処理できます。焼却の仕組み流動床式が採用されており、焼却炉に敷き詰められた砂を熱して、更に下から熱風を送り込むことで砂を旋回させます。そこにゴミを投入して熱砂と混ぜ合わせることで効率よくゴミを燃焼させていきます。不燃ごみが混ざっている場合にも、砂と一緒に流れて最終的に取り出されます。
炉内温度は最大850℃にも昇り、ゴミを完全燃焼をさせることができるので、ダイオキシンの発生も防ぐことができます。
こちらは中央制御室です。
ゴミ処理施設の稼働状況を集中的に制御・管理していますが、この時は2名だけの在室でした。設備が基本的にはコンピューターによる自動運転なので、ここにはあまり人員が要らないのかもしれません。
エコフェスタ
エコフェスタの催しは自体は大きく2つです。1つはクイズ式のスタンプラリー、2つ目は木の端材や身の回りの材料を使った工作体験です。
クイズラリー
クイズの答えを探しながら施設内を回り、正解数に応じてお菓子がもらえるゲームです。上記の施設情報もここから一部引用させていただいていますが、答えを探しているうちに色んな勉強が自然にできるのが良いですね。
館内にパンフレットの拡大版のような説明パネルがあります。クイズラリーの答えに関係のありそうな部分には、指差しマークがあるので決して難しいわけではありません。
クイズの後は正解数に応じた数のお菓子が貰えます。取り合えず全問合格できたので、8個・兄と妹の分もゲットできました。
因みに、お菓子の上に見えるお手紙は、小学生が見学に来た際の感想とお礼のお手紙です。眺めてみる限りでは、市内のほとんどの小学校が一度は来ているようです。私も旧施設の時ですが、ゴミ処理施設の見学は来た記憶があります。
工作体験
クイズでクリーンリサイクルセンターのことを学んだ後は、木片や落ち葉を使ったエコな工作を楽しみました。作れるものは、本の栞・木のメダル・カスタネットでした。
マンガ雑誌の間に係員さんが挟んでおいた落ち葉がたくさん敷き詰められています。マンガ雑誌自体も回収したものを使っているので、これもリサイクル…とか仰っていましたね。
上の写真の様に、折り紙を切り抜いて作った型と合わせて一緒にラミネートを掛けて、適当な大きさに切り抜くと、栞が完成です。個人のセンスが問われますが、自分で使う分にはあまり悩まなくても良いので気軽に作ってしまいました。
まとめ
北秋田市で昨年から稼働を始めた、クリーンリサイクルセンターの見学に言って参りました。
いつもお世話になっている施設のことを詳しく知ることができる良い機会となりました。ただ、個人的に見学をするのは、一緒に行ってくれる方を探したりと中々ハードルが高そうなので、こういったエコフェスタのようなイベントを見逃さないようにしましょう。
実際、最新鋭の設備で処理能力も上がっていますし、周辺の環境を汚染しないような配慮も進んでいました。ただ、日本全体で見た時に、ゴミの量は下げ止まり・でも処理に関わる費用は増えているという状況を考えた時には、ゴミを減らす工夫が家庭でますます重要になって来るなと再認識しました。
- Reduce …ゴミを減らす
- Reuse …繰り返し使う
- Recycle…再資源化する
突き詰めるとこの3Rしかないと思うので、今後の生活でより心掛けて行こうと思いました(月並みではありますが)
アクセスなど
●住所;
〒018-3333 秋田県北秋田市坊沢150
●ウェブサイト;見学の案内
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