今年の節分の恵方巻は、節分前よりも閉店前後に話題になるケースが多かったように思います。
それ、普段買い物しているお客様から見ると、到底閉店まで売り切れないであろう量が残っているケースが多く見られたということが、Xのポストも見て取れます。
これから当直なので夜食を買うためにスーパーに寄ったんだけど、これ全部恵方巻き!しかもこの時間帯なので全てに半額シールが貼られている。
— トマトには砂糖かける派 (@tomato_sugar217) February 2, 2025
恵方巻きって本当に必要? pic.twitter.com/JFMFx1RDJl
その中でも、私が今回強烈な印象を受けた言葉が【お米の無駄遣い】というもの。
何故、2025年の恵方巻の売れ残りが話題になったかを考察してみました。
恵方巻がたたかれやすい理由

恵方巻の市場規模は2024年時点で約316億円という推計が出ています。
中々比べるものがないのですが、おせちが約850億円という推計なので、広まった歴史や1個当たりの値段から考えた時に、数量ベースではおせちよりも大きな食イベントになっていそうです。
スーパーの寿司に限っては、お盆の売り上げを超え、1年の中で2番目に大きいイベントになってきているところもあるようです。
ということは、お盆や年末も同じような廃棄のリスクを背負っているイベントが他にもあるのですが、恵方巻だけ殊更に取り上げられる背景は何なのか?
ChatGPTにまとめてもらいました。以下まとめです。
- 商業主義
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元々関西地方の習慣であった恵方巻きを、コンビニやスーパーなどが全国的に販売促進したことで、商業主義的なイメージが強くなりました。
節分という伝統行事を、販売促進の道具として利用しているという批判があります。 - 食品ロス
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恵方巻きは大量生産されるため、売れ残った場合の食品ロスが問題視されています。
節分当日に食べきれなかった恵方巻きが大量に廃棄される様子が報道され、批判を呼びました。強制的な購入 企業によっては、従業員に恵方巻きの購入を強制するケースがあり、問題視されています。
従業員へのノルマ販売や、購入しないことに対する圧力などが批判の対象となっています。 - 伝統の形骸化
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恵方巻きの由来や意味を理解せずに、ただ流行に乗って食べる人が増えたことで、伝統が形骸化しているという批判があります。
恵方巻きの具材や食べ方など、形式的な部分ばかりが注目され、本来の意味が薄れているという指摘があります。
と言うわけで、怒りに繋がりそうな複数の要因が挙げられました。
更に今年は、
- 米の値段が一気に1.6~2倍の水準に上がった(まだ上がる可能性もあり)
- 所在が把握できない米が約17万t(お茶碗にして26億杯分)
という事態もあり、客目線で閉店までに売り切れるかどうか分からない大量の恵方巻に対して、より厳しい目が注がれることになったと思われます。
売れ残りが目立ってしまった背景
恵方巻の半額狙いでラゾーナきたけど半額でも買わんわ!って値段の品しかない🤣🤣🤣
— ひでで (@hidede_) February 2, 2025
攻めた値段で大量に作りすぎ!誰が買うねんこれらw pic.twitter.com/KVqkwTF9oJ
でも、残らなければお叱りも受けないわけですが…
会社によってそれぞれの要因はあると思いつつも、売れ残りが目立ってしまった背景は、以下のように推測します。
- 日にち
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2025年の節分は2月2日でした。節分と言えばどうしても2月3日のイメージなので、気付かれなかった方もいたかもしれません。ちなみに2057年までは4年に1度のペースで来るそうです。
- 曜日回り
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2024年は土曜日→2025年は日曜日。日曜の夜はお客様の引けが早いので、製造や値引きのタイミングが遅れると大量廃棄につながりやすいです。
- 原材料費高騰
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円安や品不足により、恵方巻きに関わるあらゆる原材料が高騰してしまいました。
各社ともに値頃感を合わせる工夫や努力を行っていますが、昨年までより割高感を感じていたかもしれません。
- 光熱費等高騰
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政府補助金の縮小により、光熱費・ガソリン・灯油など生活に欠かせない出費が増大しています。上記理由で値段が高めになったのも相まって、買い控えが進んだ可能性があります。
年末年始のおもてなしとは違い、あくまでも個人または一家族単位で楽しむイベントのため、経済的な面で節約志向が働いた可能性が高いです。
もしかすると、毎年食べていたけども今回止めた方が…

別に食べなくてもよくね?
と悟ってしまうと、市場も縮小していくかもしれませんね。
それでも恵方巻をやめられない理由


経済的な側面:
恵方巻きは、コンビニやスーパーなどの小売業界にとって、大きな収入源となっています。
恵方巻きの販売促進によって、他の商品の売り上げも向上する効果が期待できます。
生産者や流通業者にとっても、恵方巻きは重要な商品であり、経済的な影響は大きいと考えられます。
消費者の心理的な側面:
恵方巻きを食べることで、縁起が良いとされる方角を向いて願い事をしたり、家族や友人と一緒に楽しんだりする体験は、多くの人にとって特別なものです。
季節のイベントを楽しむという心理的な欲求も、恵方巻きの需要を維持する要因となっています。
と、再びAIに止められない理由をまとめてもらいましたが・・・
あくまでも私個人レベルの話になりますが、現場にいると「どうしても昨年以上の売上を取りたくなる」心理も理解いただければ幸いと思います。
また、昨年データと今年の環境を元に製造計画を立てている(…はず)のですが、中々予測通りハマることは稀です。
そして何よりも現場意識としては、品切れによるお叱りを受けることが一番怖いので、
- 基本は予約限定の販売にする
- 店頭販売は絶対に廃棄の出ない量に絞り込む
- 広告は出さない、または早期でも売り切れ御免を貫く
を許容いただける空気を醸成していくとか…。
それでもコンビニ・スーパー・専門店と色々ある中で、どこかが製造数を抑えても、他がチャンス!と数を増やして稼ぎに行くのが企業間競争なので、一社だけで取り組んでも難しいと思います。
農林水産省あたりが大量販売による食品ロス禁止!
とか罰則付きのお触れを出したりした時に、ようやく廃棄がなくなるかもしれません。
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