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びびた
画像は”ToonMe”でやってみた
秋田県北部出身。
大学進学を機に南東北で10年弱過ごし、地元に帰ってきました。
日々の出来事、地域のグルメ・イベント・スポット情報など書き綴っています。
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食べ物関連のウェイトが大きくなったので、少しカテゴリー構成を見直しています。

【サキホコレ】熱狂の先行販売から思った疑問・

11月6日に先行販売が始まった秋田県の新ブランド米【サキホコレ】。

青森県の【青天の霹靂】、岩手県の【金色の風】、山形県の【つや姫】など、日本一の美味しさを目指して、各地で新たにブランド米が立ち上ゲラれています。

それに少し遅れる形にはなりましたが、【秋田米新品種開発事業】がいよいよ実を結んだ形になりました。 

秋田県内では、販売に際してお店に行列ができ、あっと言う間に売り切れてしまうなど、”狂騒”とも思える好評さですが、ネット上では必ずしも好意的な意見だけではありませんでした。

何か盛り上がっている事例に対して、斜に構えるというか一緒になって熱狂できないのが私の悪い癖です。今回のプレ販売を考えてみました。

 

目次

どういうお米?

秋田県の主力品種と言えば、なんといっても【あきたこまち】ですね。

デビュー当初は、当時としては斬新な6文字の名前のインパクト、美味しさ倒れやすい・いもち病に弱いコシヒカリの欠点を改善した点で、一気にメジャーな品種に押しあがっています。

現在は、秋田県以外でも多数作付けが行われていますが、割と業務用米としての使用が増えて、親しまれながらも、最高ブランドとは言いづらい状況に陥っているとも言えます。

実際、食味ランクでも特Aランクが付くことが少なくなり、令和2年度の食味ランキングでは秋田県産のあきたこまちには特Aがないという緊急的な事態も発生(自然環境の変化も大きく影響しているとは思います)。

そこで、最上位の食味を持つ米として、”米どころ・秋田”の新たな県産米の顔となり、産地の活性化を担う新品種として期待されているのが今回の【サキホコレ】です。

系統

親はつぶぞろい(秋田県生まれ)中部132号(愛知県生まれ)です。

平成22年に交配が始まり、12万株もの稲穂から平成25年・800系統 → 平成27年・27系統 → 平成29年・5系統と絞り込まれていった中で、最後に残ったのが秋系821。今のサキホコレとなります。

系統樹を上に示していますが、競走馬の血統を思い起こします。

競馬的に言うならば、インブリードで初星の4×5ひとめぼれの3×4×4こしひかりの4×5×5×5と結構現在も主力で流通しているお米が頻度高く出現していることが分かります。

栽培上の特徴

あきたこまちよりも更に収穫の遅い晩成種。

あきたこまちの栽培上の弱点を克服することで、良い食味高い収量を実現しているとのことです。低温や高温にも強いことから、最近の天候不順の中でもより安定した収穫が期待できそうな特徴ですね。

食味

晩御飯向けのもっちりした食感と、噛めば噛むほどに感じる甘み・・・などの触れ込みがありますが、あきたこまちに慣れてしまった秋田県民には、正直賛否両論でした。

私の周りでは、寧ろ好意的な意見は少な目でした。

ただ、個人的にあきたこまちよりも山形に住んでいた時に食べていたはえぬきの方が好きだということもあり、寧ろサキホコレの方が好きです。

サラッとした口当たりから、噛むほどに感じられる甘み。粒があきたこまちよりも立っている感じで、炊き込みご飯や、酢飯にしても合いそうな感じがしました。

もらったサンプルを水で浸漬したところ、あきたこまちよりも吸水が少なかったので、それが食感にも反映されているのかなという気がします。

 

先行販売-戦略的には?

優先すべきは県内 か 県外か

今年の供給量は全国で400t。平成30年の秋田県内の米の生産量は約491,100t出典:地域の入れ物 様)ということを考えると、本当に希少なお米でした。

この内、秋田県内には100t県外向けに300tが出荷されましたが、その内訳は果たして妥当だったのだろうかという疑問は否めません。

早速の転売ヤー登場

メルカリには2kg袋が6,000円台、サンプルで配られた300g(2合分)の袋が1,200円程度で出品されていました。

Amazon公式の2kg袋の価格が約1,700円と比べると、約4倍にまで跳ね上がってしまっています。それでもSOLD OUTになっている事実からは”需要と供給の関係”は成立していたと考えて良いと思いますが・・・

実際にどこに流れていったのかは分かりませんが、これには佐竹知事も困惑していたようです。

高いお金を払って期待を持って食べた方がリピーターとなるかならないか。膨らんだ期待を受け止めるだけの味だったことを祈るのみです。

今回の事例から思うこと

位置付けが富裕層向けのブランド米ということで、将来的にメインが大都市圏、特に東京市場になるのかもしれません。

でも、まずは最も愛着があり期待している、地元の秋田県民に広く食べてもらってその魅力を感じてもらうのが先であって欲しいと思います。

知事やタレントなどのアピールはやはり一瞬の影響度は大きいですし、即効性はあると思います。ただし、大きすぎるブームは得てして引けも早いモノ。

著名人による宣伝も決して否定するものではありませんが、地元の方から県外に出た肉親や、子供たちに美味しさを伝えたり、送ってあげることでジワジワと草の根的に広がっていく効果も同時に考えて欲しいなと思います。

  

主力米のブラッシュアップはあるのか?

【サキホコレ】がブランド米として、米どころとして最高の美味しさを極め、掛かるコストが値段に反映されて、経済的にも生産地の活性化に繋げる、という戦略は理解できます。

では、同時に普段食べていくお米のブラッシュアップも必要なのではないかなとも思います。

丁度、本日、青森県のお米の新品種【はれわたり】のプレスリリースがありました。

令和5年度の本格デビューを目指して、来年は先行販売を行うようです。私の仕事にも関わってくるので、詳細は注視していかないといけませんね。

本種の位置づけは、最上位【青天の霹靂】と対比させて、少し低い価格帯で主力米として据えていくようです。【つがるロマン】や【まっしぐら】に代わる主力品になるかも知れませんね。

青森県の開発に対する熱の凄さには驚かされました。

では、秋田県は現在の主力である【あきたこまち】を超え、比較的安価で日常的に食べられるお米の開発はしているのかな?と言うところは気になるところです。

普段はあまり気にしないのですが、今回の熱狂を眺めてみて、食の多様化や糖質制限などで米の需要が減っているとはいうものの、やはり日本人の根底にある主食はお米なんだな、と改めて思いました。

今後もその動向は注視していきたいと思います。

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