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びびた
画像は”ToonMe”でやってみた
秋田県北部出身。
大学進学を機に南東北で10年弱過ごし、地元に帰ってきました。
日々の出来事、地域のグルメ・イベント・スポット情報など書き綴っています。
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【秋北新聞社の閉業】秋田県北部に新聞社が多いワケを考えてみた

北秋田市米代町(旧:鷹巣町エリア)の【秋北新聞社】は、2025年10月31日を最後に新聞発行を停止。

100年を超える歴史に幕を下ろしました。

旧:北秋田群地域(北秋田市~上小阿仁村)のローカルな情報を中心に、最盛期は約4,500部を発行していましたが、直近では約2,500部まで部数が落ち込んでいたようです。

主な倒産の理由に以下のような事項が挙げられるようです。

その他にも、SNSとしてFacebookは活用されていたようですが、WEBサイトは存在せず、紙のみの媒体から脱却できなかったのも遠因になっていたようです。

隣人が配達員をしていた繋がりで実家でも購読していた時期がありましたし、祖母が元気な時に配達員をしているのを私も手伝っていたこともあり、縁深い新聞社だったので、非常に寂しく思います。

ただ、ほぼ人口減が特に激しい県北地域においても、各市ごとに新聞社が存在し、それぞれに独自の新聞を発行しています。

身近にローカル紙が存在しているのが自然な環境でしたが、改めてこれも県北地域の特色ある文化かと思い、様々まとめてみました。

目次

秋田県にある新聞社の分布

秋田県内の直近の新聞社を表にまとめてみました。

新聞社名本社所在地主な発行地域
(株)秋田魁新報社秋田市県内全域
(株)米代新報社鹿角市鹿角地域
(株)北鹿新聞社大館市大館市・鹿角地域・北秋田
(株)北羽新報社能代市能代市・藤里町・三種町・八峰町
(有)秋田民報社大仙市大仙市・仙北市・美郷町
(株)秋北新聞社 ※閉業北秋田市北秋田・上小阿仁地域

それを白地図を使用してざっくり区分けした図がこちらです。↓

一番メジャーなのは、やはり県内全域をカバーする秋田魁新報ですが、地図にまとめてみることで、改めて県北地域の新聞社の密度が非常に高いことが分かります。

能代・山本地域をカバーする北羽新報は、この地域においては秋田魁新報よりも影響度が高いと言われていますし、それぞれに存在感があります。

また、秋田中央・県南地域の方が人口が多いので、その観点から比べても新聞社が多いという県北の特色がより際立つと思います。

では、どうして県北地域にローカル新聞社が多いのか?背景をまとめてみました。

県北地域にローカル新聞社が多い理由

写真AC様よりイメージ画像として(奥は森吉山)

地理的要因

秋田県北部は、奥羽山脈や白神山地に囲まれた複雑な地形をしていて、各盆地(大館盆地、鷹巣盆地、花輪盆地など)が山で隔てられていたため、古くからそれぞれの地域で独自の生活圏・経済圏が形成されています。

今でこそ、国道7号線や高速道路で1本で移動できますが、車を走らせていると、市の境それぞれに上り下りするポイントがあり、峠の名残を感じさせられます。

その為、各盆地にある小さな町村の細かな冠婚葬祭や行事までは拾いきれず、その隙間を埋めるために、各町に新聞社が必要とされたとされています。

文化・教育的要因と郷土愛

写真AC様よりイメージとして

秋田県は伝統的に教育熱心な土地柄として知られていますが、県北地域も例外ではありません。

地域の知識層と言われる人々が、自分たちのオピニオンを表明したり、郷土史を記録したりする場として新聞を創刊するケースが多く見られました。

厳しい冬を乗り越えるための連帯感が強く、地域の情報を共有し合うことが生存戦略の一環でもありました。自分の家族や近所の子どもが紙面に載ることを最大の喜びとする文化が、購読者層を支えてきたとされています。

産業的背景(林業や鉱業)

秋田杉を使って建てられた秋田駅のバスターミナル(写真AC様より)

秋田県北部は、かつて日本屈指の鉱山地帯があり鉱業が発達、また、日本を代表する”秋田杉”の産地として林業が発達してきた地域です。

これら産業の栄えていた時代は、人口が密集し、労働者向けの娯楽やニュースの需要が爆発的に高まったそうです。

また、労働者が集まることで、商店街や飲み屋街が形成され、そこの経営者たちが広告主になることで、比較的小さな部数でも経営が可能だったという背景があるようです。

まとめ

という訳で、秋田県北部にローカル新聞社が多い理由を改めてまとめてみました。

2025年12月時点で新聞を発行している会社のEBサイトは米代新報(鹿角市)を除いて、しっかり運営されていて、新聞を購読していなくても、幾つか記事を見ることができますし、広告収入も得られていそうでした。

秋北新聞社のFacebookにおいても不定期ですが紙面の一部を掲載していましたが、やはりデジタル化には乗り遅れていた感がありました。

ただ、かつて経営を支えていた人口≒発行部数や商店街=広告主は減少、これまでの産業は衰退~移り変わり運営コストの高騰もあり、地域紙の経営環境は全体的には厳しくなっていると考えられます。

地域密着の情報は今、新聞からSNSや自治体の広報アプリへと移行しつつありますが、新聞が担っている「地域の記録者」としての役割については代わりとなる主体が思いつきません・・・

県北地域の特色ある文化として、これからも続いて行ってほしいなと思います。

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