食に携わる仕事をしていたり、日ごろから食べ歩きのようなことをしている中で、唐突にこれは!という素材に出逢うことがあります。
色々試行錯誤の上、調理方法を工夫したり調味料の合わせ方を変えたりと、料理も勿論素晴らしいです。
しかし、中には素材が持つ美味しさだけで全てを持っていく存在も確かに存在するもの。
過去に味わった中では、北海道・札幌市のミシュラン1つ星のお店(名前は失念…)でいただいた【アスパラの塩焼き】があります。
そして、近々では【鳥海パレルモ】という大きなパプリカがそのような存在になりました。
鳥海パレルモとは?
”パレルモ”はイタリアンパプリカの仲間で、別名;スイートペッパーとも呼ばれます。イタリア・シチリア島にある都市の名前に因んでつけられました。
普通のパプリカと比べても2倍くらいに長く、万願寺とうがらしのような非常にインパクトのある見た目です。
しかしながら、万願寺とうがらしよりも肉厚で、とてもジューシーな食感です。また、赤くなるほどに甘くなるようで、糖度10度(平均的なスイカ程度)にも達するものもあるようです。
”鳥海”という名前から
由利本荘とか鳥海山の麓の地域で作られているのかな~
と思いきや、山形県産だったりします。
う~ん、この辺のブランディングや資源化は、”白神”といい”十和田”といい、隣県が先だったり、良いところを多く持っていたりするのがが少し悔しいところ。
ちなみに、山形県遊佐町では、姉妹都市のハンガリー・ソルノク市との交流がきっかけで栽培が始まり、今では生産者数日本一を誇る名産品になっているそうですね。(参考:https://nmai.org/perorin_ga_iku/191017/subwin_201.html)
旬は夏から秋にかけて。秋田県内スーパーでも見ることができ、1本198円程度で購入できます。
下ごしらえしてみる。
通常のピーマンやパプリカのように、まずは頭のヘタを落とします。
縦に半割りしてみると、種の部分は意外と少ないことがわかります。
もっと下までビッシリ種の部分があるのかと思っていたので、処理の手間は楽ですね。
手でさっと取って、水でざっと流して終了。後はさらに用途ごとに調理しやすいような大きさにカットしておきます。
調理してみた
とにかく素材自体が甘味たっぷりなので、余計なことはしない感じで調理を進めます。
天ぷら
大き目なカットのまま、水で溶いたてんぷら粉に潜らせて、適温に熱した油に投入します。
タレをしみこませるためにしっかり衣をつけたい場合は、事前にパプリカに打ち粉をした方が良いですが、今回はとにかく素材の甘味を楽しむ方向。
ごくごく薄衣で仕上げるようにしてみました。
普段、温度表示のある機器で作っているので、家でやると全然カンが掴めないのです。その点、妻はいつも上手く揚げてくるので凄いと思います。
ちょっと粉が薄かったようで、ほぼ素揚げのような状態になってしまいましたが、天ぷら衣のサク味はしっかり感じられたのでセーフ。
ロースト
そして、更にシンプルにロースト…というか焼いてみます。こちらもカットは大きめに、1/8カット程度にしています。
味付けは塩コショウのみ。甘味を引き立てたいので、ごくごく軽く振りかけていきます。ややしんなりして、表面に焦げ目が付くくらいでフライパンから上げてしまいます。
パッケージには、”肉詰めなどにして焼き上げてもおススメ”と書かれていましたが、確かに詰めるタネの塩気とパレルモの甘味の相性は良いだろうな、と感じます。
ピクルス
残りはさらに細かくカットして、サンプルを貰ったものの、中々使えずにいたピクルス用のお酢につけてみました。
お昼過ぎに準備して、約3時間漬け込み。ちょうど晩御飯の時にはすっかり漬け込まれた状態に持っていきます。
本当はキュウリも入れたかったのですが、残念ながら買い置きがなく、諦めることに。暖色系のパプリカの中にで緑が加わることでさらに彩りが良くなりそうです。
この辺は、また作る時に忘れないようにしておこうと思います。
実食・まとめ
と言うことで、パプリカ三昧の食卓になりました。
食べてみた感想としては、本当に”シンプル is ベスト”で、塩味だけで食べるのが一番おいしく感じました。多少、個体差はあろうかと思いますが、本当に甘いんです!
半面、ピクルスもバリエーションとしてはありですが、パレルモ自体の味がそこまで活かされていない感覚です。単なる生野菜サラダの方が良さそうです。
結論としては、【鳥海パレルモ】も素材だけで食べたい超A級の野菜だと言って差し支えないと思います。
是非、お店で見かけた際にはお試し下さい!
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