秋田県の魚と言えば…やはりハタハタでしょう。
秋田県では冬の風物詩で、季節ハタハタ漁が始まると必ずニュースになりますし、水揚げされる漁港には行列が出来るほど。スーパーでも、発泡スチロールが山と積まれますし、通勤路でもトラックで販売しに来ている風景を見ることができます。
これで万が一、接岸が遅れた・不漁ともなると、パニックを起こす方もいる位です。
主な食べ方
一般的には、焼いたり・鍋に入れたり、唐揚げにしたりして食べます。大きいと、骨が当たるようになるので、唐揚げは小さめの個体が良いですね。
焼き魚については、個人的には三五八漬けという麹で付けたものが一番おススメです。スーパーでも年中食べられますし。
他にも贈答用、冬の保存食で【ハタハタ寿司】という馴れ寿司が一般的です。県内で良く見るのは、鈴木水産さんのですね。
お土産売り場で発見!和洋折衷メニュー
この間、道の駅二ツ井に行った時にこんな商品を見つけました。
ハタハタのオイル漬けです。
製造元は、鈴木水産さん。度々ニュースでも取り上げられますが、面白い商品をたくさん作っていて、いつか食べてみたいと思っていました。
普通のおつまみになるようなサイズの缶詰ですが、外箱もオシャレで、お値段も税抜き500円だったので、つい買ってしまいました。い~いお値段だと思いますが、ワンコインと言うのが良い設定だなぁ。
今回は梅しょっつる味を買いましたが、ガーリック風味・ハーブ味があるようです。
缶を開けて実食!
開けると、ハタハタを削ぎ切りにした様な切り身と、昆布がちょっと入っていました。
食べてみると、、、最初はハタハタの味ですが、噛みしめると後から仄かに梅の風味が追ってきます。ちょっとしょっぱめですが、お酒のつまみには丁度良い感じに仕上がっています。
合わせるお酒は
個人的には、魚には日本酒の焼酎の2択しかありませんので、今回は同じく二ツ井の道の駅で購入した、【美桜どぶろく きみまちの詩】を合わせました。
このお酒は、
①能代市二ツ井産の米(原料米・米麹)100%
②世界遺産【白神山地】の天然水
③天然酵母【秋田美桜酵母】
きみまち阪公園の桜の花から採取した酵母だそうです。
で作られており、米の削り具合は60%と言うことで、お米の美味しさを生かした造りになっていました。オイル漬けとの相性も上々でしたよ。
余ったオイルでアレンジレシピ
余ったオイルをパスタに絡めるだけで簡単アレンジメニューができます。お好みで塩・ニンニクを足すともっと良いです。ハタハタの魚肉が残っていれば、そのまま使うと塩は必要ありません。
と、1缶500円で2度おいしく食べられました。
他のフレーバーにも、それぞれ適したアレンジメニューがあるので、是非見かけたら試してみて下さい。
今のところは、鈴木水産さんのホームページにも掲載がないので、私が確認できた買えそうなところは”道の駅・ふたつい”だけです。他にもたくさんあると思うので、随時追加していきます。
秋田県の漁獲の全国的な位置は…
ハタハタ=秋田県の名産というイメージは、テレビの旅番組で何回も放映されているため、全国的にも結構根強いものだと思います。
ただ、単純に直近の漁獲高だけで見ると、
●1位:鳥取県 1,995t
●2位:兵庫県 1,864t
●3位:秋田県 835t
●4位:青森県 824t
●5位:石川県 601t
(数値は平成28年漁獲高 引用;地域のいれもの様)
実は、今は鳥取県、兵庫県が図抜けた漁獲量を誇り、秋田は3位になっています。多分、地元以外の方は結構意外に思われるのではないかと思います。
では、何故ハタハタに対するイメージが今尚、”秋田県”が強いものとなっているのだろうか?
それは、文化的なもの=食べ方の深さが大きく関係しているのだと思います。
元々秋田県では、年間のハタハタの漁獲量は年間2万tに達することもありましたが、昭和51年を境にどんどん減っていきました。その後、3年間の禁漁を経て、今もルールや制限を設けるなど、徹底した管理の元、漁が行われています。
それだけ生活に根付いていた魚だということ、それ故に利用の仕方も他県よりディープだったということだと思います。私位の世代だとどうかな?と思いますが、親位の年代だとまだ命を掛けている勢いで買いに走る方がいます、実際。
参考:他県の売り出し方
この過程で、Pride Fishという面白いサイトを見つけました。
魚離れと言われて久しいけど、本当に美味しい魚を食べて言ってんの?
各県の漁師さんが、春夏秋冬の自信をもって勧められる魚を、美味しい食べ方付きで紹介しているサイトです。
漁獲高1位:鳥取県の場合
う~ん、流石売り出し上手の鳥取県と言ったところ。
ハタハタのDHAとかEPAなんて秋田に居て気にしたことがありませんでした。しかも、20cm以上の大型サイズのものは【とろハタ】というブランド名まで付けてしまうあたり、商売上手だと思います。
食べ方の紹介としては…
唐揚げ・煮つけ・干物・南蛮漬けあたりが一般的。また、ハタハタ寿司やなめろうなど食べ方の幅としてはかなりありそうでした。
漁獲高2位:兵庫県の場合
こちらは鳥取に比べるとサラッとしています。
ただ、主な産地である但馬港の近くには、加工業者がたくさんあるということで干物が有名なようです。
漁獲高3位:秋田県の場合
( ^ω^)・・・うん、サイトの力の入れようが上位2県とは違いますね。上記で出た食べ方は基本中の基本で、様々な保存食としての利用、鍋、卵の利用まで紹介されています。
また、秋田県とハタハタの歴史まで説明されており、今現在行われている取り組みまでしっかり勉強できる造りになっています。
ただ、秋田県は冬に対して、鳥取・兵庫は春の魚扱いです。また、そもそもの系統群も違い、卵の粘り気の違い、産卵期に獲れる・獲れないの違いもあるとなると、食べ方に差が出るのも仕方ないかなと思います。
まとめ
”魚離れ”は、実際にありますし、肉類の消費に傾いているのも確かです。
ただ、私も小・中学校の給食に出てくる、”冷えた”焼き魚は本当に苦手でした。何故か、川魚・刺身は大丈夫だった変な子供でした。
ただ、年齢を重ねるごとに慣れていき、今はある程度なら何でも食べられるようになっています。寧ろ、今は食べる頻度としては逆転しているかもしれません。調理をあまり苦にしない奥さんにも恵まれたんだと思います。
魚の風味って、子供の味覚にとっては、好みがハッキリ出やすいものなのかもしれません。家庭環境や個人の資質もあると思いますが。
ただ、そのまま大人になっても食べず嫌いのままでは勿体ない。
今回食べたハタハタのオイル漬けは、食べると美味しい、なら如何に最初の一口を食べてもらうかを考えた商品開発者の意思を感じた一品でした。
時代と共に食べ方が変わっていくのは歓迎。常に新しい発見があります。
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