青森県のスーパー【佐藤長】が倒産したのは、2023年10月のことでした。
創業は1897(明治30)年とのことで、実に126年を超える歴史に幕を下ろしたことになります。
前段として、経営危機の噂は昨年から出ていましたが、今年になってかなり具体的な話題に。
そして、2023年6月には民事再生手続開始の申立を行い、スポンサーになってくれる企業を探しながら立て直しを図っていました。
しかし、仕入れも思う様にいかないということもあり、最終的には福岡県に本社を置くディスカウントスーパー【トライアル】に譲渡することになりました。
既に佐藤長の一部店舗がトライアル化していたり、他県の大きなトライアルの中に鮮魚部門のテナント的に入っていた部分で、元々結びつきのあった両社なので、収まるところに収まった感じはします。
そして、譲渡が決まった直後、早くも10月24日から随時トライアルとしての営業が始まったのですが…
思いの他、外装・内装をドラスティックに変えるわけではなく、ほとんど元の”さとちょう状態”でスタートしたのはビックリしました。
その中でも、デリカ部門的には“本体価格 300円以下のカツ丼”がインパクトが大きく、話題になっています。
かつ丼も値上げの波に…
前提として…今回触れるかつ丼は”玉子でとじて煮込んだタイプ”です。他地域は分かりませんが、東北のスーパーのお弁当においては、大体このパターンが売り上げでトップになっている人気商品(…なはず)です。
そんな人気商品も、かつ丼も値上げの波に巻き込まれ、徐々に値段が上がっています。
以前であれば、通常サイズは税抜き価格で1パック398~450円が標準価格だったようなところがありますが、今は450~500円位が普通になってきました。
1食が多い方向けにミニ丼もありますが、コチラは概ね税抜き1パック298円です。
値段は上げないとダメ???我慢できないの?
という意見も多数かと思いますが、企業としては存続すること自体が地域貢献になることもあり、その為には一定の利益はいただかないといけません。
企業戦略や商品の作り方にも依りますが、売上げが高い商品の利益を崩すことは全体に大きな影響を及ぼすので、できるだけ避けたくなります。
その分、良いものを提供していく努力は行っていますが…
トライアルのかつ丼を食べてみる
そんな中で、1パック299円・そしてミニ丼ではないというのは結構な衝撃と共に、消費者には嬉しい一品だと思います。
安すぎると、トンデモナイ材料を使っているのでは?とか、品質は大丈夫なの・・・?という心配もあるので、実際に食べてみます。
具材は玉ねぎ・玉子・豚カツと、基本の具材は押さえられています。
玉子の白身の部分がしっかりにマーブルになっていて、見た目にもきれいでした。
量的には、他のスーパーで400~500円台で売られている商品に比べると、多少軽いかもしれませんが、1パック当たりのカロリーが711kcalなので、1食の熱量としては問題ないと思います。
物足りない方は、これにサラダやおかず、カップラーメンを加えれば良いです。更には、それでも500円で収められるので、却って栄養バランスを取り易いかもしれません。
三元豚(恐らく国産豚ではないだろうが…)の豚カツは柔らかく、厚さも十分だと思います。
枕崎産の鰹節使用の煮込みタレは、ちょっとトロっとした食感や甘さを感じながらも、濃厚な味でした。それでいてしょっぱくないので、東北地域のお客さんの多くの好みになっているのかなと思います。
これで299円というのは…お値段以上のお得感を感じます。
特製のかつ丼マシンも開発されていた情報もあり、企業努力と戦略の賜物かなと思います。
もう一社食べてみる
折角、八戸まで出かけたということで【Powers U シンフォニープラザ店】へも立ち寄ることに。
こちらは秋田県では鹿角市毛馬内にもあるスーパー【ユニバース】(本社:青森県八戸市)のディスカウント形態のお店で、2023年11月時点では十和田と八戸の2店舗のみ存在しています。
こちらもトライアル同様、店全体としての商品の種類は絞られているものの、値段の安さで勝負する形態で、今のご時世、近くにあると嬉しいお店です。
惣菜も普通のユニバースより安くなっていて、店内焼き上げのピザが1枚500円とかなりの人気を集めているそう。
そしてこちらにも、300円そこそこのかつ丼が存在します。
食べてみた感想としては、、、この時は正直トライアルの方が勝ちました。
通常のユニバースのかつ丼と比べて肉が2切少なかったり、ちょっとカツ上部のパサつき感や全体の火の通り方が気になりました。
ただ、下の白飯はパワーズUの方が個人的には粒立ちが良くて好きでした。
まぁ、何よりもお肉や野菜、飲料など全体的に安さが実感できるスーパーだったので、他の買い物が捗ったのが良かったです。
まとめ
青森県八戸でトライアル・PowersUの300円かつ丼を食べ比べてきました。
- ディスカウント価格でも品質は一昔よりも圧倒的に向上
- 1品の値段を抑えることで色々買える選択肢が増えるのは嬉しい
- 品質の良いディスカウンターは秋田には・・・?
と言うことで、40代になり確実に体のガタつきが進んできました。
その状況下では、お弁当1パックで満足感を得るよりも、色々少しずつ食べないといけないこともあり、最終的には体にも優しい食事ができると思います。
青森県の津軽地方でもトライアルのかつ丼がどんどん広まってくると思いますが、果たしてトライアルが秋田までも入って来るかなぁ…というのが今の感想。
子どもを3人抱える身としては、品質がソコソコでも安く量が買えるディスカウンターは魅力なのですが、鷹巣にもあるビッグでは品揃えと生鮮食品の鮮度に正直・・・です。
そういった時に、トライアルだったりロピアが来たら消費者としては嬉しい反面、仕事的にはちょっとヤバいなと言う危機感もあり、複雑な思いを持って食べておりました。
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