昨年の12月初め、伏見屋(秋田県仙北市)など関連会社が、クスリのアオキへ事業譲渡されるというニュースが飛び込んできました。
クスリのアオキは、2024年12月5日に東北地場大手食品スーパー「伏見屋」と伏見屋系事業会社「本間物産」、「トップマート」、「LogiPlanning 仙台」のスーパーマーケット46店舗およびその他付随する資産を譲り受ける事業譲渡契約を締結しました。この契約によって、2025年2月28日にはこれら店舗を譲受する予定です。
本間物産さんは、昨年のからあげグランプリの北日本スーパー部門にも応募していて、最終審査まで進められていたのを見ていたので、今回のニュースは正に急転直下!非常に驚きました。
と言うわけで、北秋田市にあるマルホンカウボーイ鷹巣店(1996年8月開店)も2月下旬を以って閉店が決まりましたが、今後どうなっていくのか?
予測を交えながらまとめてみました。
“マルホンカウボーイ“の概要
マルホンカウボーイは、本間物産株式会社(山形県酒田市本社)が運営するスーパーマーケットチェーンの一つです。
本間物産株式会社は1949年に創業し、山形県を中心に秋田県、宮城県、岩手県などに展開しています。
鷹巣のマルホンの思い出
高校卒業まで鷹巣に暮らしていた時期…どの学年だったかは最早記憶にはないのですが、覚えている売り場は上記写真のような寿司バイキングです。
コロナ禍を境に、めっきり廃れてしまった(それでも県南のよねや[ヤマザワ]や関東圏では復活しつつありますが)お惣菜のバラ販売を寿司1貫単位でやっていました。
そして値段も1貫50円とかだったと思います(多分)。
同じ業界に入って改めて振り返ると、ものすごい手間が掛かってますし、今のインフレ下ではとんでもない値段設定に思います。
子供には寿司はやっぱりごちそうでしたし、家計にも優しい嬉しい企画だったなと思います。
“クスリのアオキ“ってどんな会社?
“クスリのアオキ“概要
株式会社クスリのアオキは、石川県に本社を置く、医薬品、化粧品、日用雑貨を中心に販売するドラッグストアチェーンです。
- 創業: 明治2年7月
- 事業内容: 医薬品、化粧品、日用雑貨などの近隣型小売業、調剤業務
- 従業員数: 常勤社員4,605名、平均臨時雇用者数6,218名(2024年5月期)
- 連結売上高: 4,368億円(2024年5月期)
「健康・美・衛生」を通しての社会貢献を経営理念とし、地域社会に貢献する取り組みを行っています。
ドラッグストアがスーパーマーケット事業を吸収するワケ
クスリのアオキがスーパーマーケットを買収する主な理由は、ドミナント戦略強化と競争力の向上です。
クスリのアオキは、各地域に集中的に店舗を展開することで、物流やマーケティングの効率化を図っています。この戦略を「ドミナント戦略」と呼びます。
スーパーマーケットを買収することで、地域内でのサービス提供力を強化し、競合他社に対抗する力を高めています。
ドミナント戦略自体は珍しいことでもなく、県北だといとくやイオン系列のスーパーが、同じ市内に幾つもあったりします。
集中的に同じ会社が建てることで、対抗戦になる前に、競合他社が入って来にくい状況を作るという側面も持っています。
食品スーパーの買収によって、生鮮食品の仕入れや販売ノウハウを獲得し、自社展開するドラッグストアとのシナジー効果を期待しています。また、規模の拡大により、仕入れコストの削減や販売力の向上を図っています。
昨年、北秋田市のイオンタウン鷹巣の敷地内にあったツルハが移転オープンした際に、精肉も取り扱うようになりました。
ドラッグストアでも生鮮食料を扱う店舗が増えてきた流れもあり、より充実した売り場作りをすることで、他ドラッグストアとの差別化を図っていくような戦略かと思います。
実店舗を見に行ってみた
とりあえず、昨年末に岩手県奥州市の『クスリのアオキ 水沢店』に行ってきてたので、簡単に感想をまとめました。
2022年7月27日に【フードパワーセンターバリュー水沢店】からリニューアルオープンしました。中央の看板だけはアオキになっていますが、左右はフードパワーセンターバリューの名残を残っていますね。
生鮮食品(青果物・鮮魚・精肉)・店内製造の惣菜・食品など通常の中型スーパー位の品揃えは一通り揃っていたので、普通に日々の買い物に困ることはなさそうです。
惣菜は【むすんでひらいて(本社:福岡県)】が運営していますが、元々のフードパワーセンターバリューの強みがそのまま活かされている印象で、特に鮮魚が強みなのかなと感じました。
販売していた魚の鮮度も良さそうでしたし、魚屋さんのお寿司は、一般のスーパーで販売しているお寿司に比べてとても美味しそうに感じました。
飲料や日配品の棚の乱れは気になりましたが…ディスカウントの店舗ではよく見られる光景ですし、お値段も全体的に安いのでそこはお客様の選択になってくる部分です。
また、リニューアルにあたりヘルス・ビューティーの専門性を強化ということもあり、通常のドラッグストアのように日用品・雑貨・薬類は、普通のスーパーよりも充実した品揃えでした。
また、病院やクリニックが近い立地だったら便利だなと思ったのが、調剤薬局も併設されていることです。
ただし、全ての店舗で併設されている訳ではないので、店の大きさや居抜きの場合は設備等、様々な条件を加味して取扱品目や運営部門が変わっていくような感じです。
まとめと今後の予測
マルホンカウボーイ・クスリのアオキの概要、実店舗で買い物してみた感想をまとめてみました。
秋田県北部には、鹿角市・大館市・北秋田市・能代(二ツ井のベル)など7店舗がありますが、全て今の形態を基にした業態でリニューアルするのか、それともドラッグストア主体になるのか、現時点ではまだハッキリしません。
鷹巣店については、2月下旬閉店→5月に営業再開予定となっておりました。
今まで使用していたおさいふカードのポイントは、新たにクスリのアオキカードを発行した上で、移行手続きとなるようです。
ただ、リニューアル形態によっては、この辺の小売業の勢力図も変わる可能性があるので、今後のアナウンスを注目して待ちたいと思います。
他地域でもマルホンカウボーイさんの閉店は結構な反響になっています。他地域の反応も下記にまとめてみました。
看板は”マルホンカウボーイ”ではないですが、同じニュースです。宮城県に住んでいたことがある身としてはサンマリも絡んでくるのが驚きだったりします。
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