仕事柄、様々な”機能性”を持った調味料を紹介されることがあります。
味付けにとどまらず・・・煮物の煮崩れを防いでくれるお酢だとか、食材の臭みをより軽減してくれるお酒とか、メーカーさんの技術の素晴らしさには本当に驚かされますね。
また、秋田県でも地元企業と大手企業がタッグを組んで”肉醬”を使った焼き肉のたれが開発されたり、お店の棚を眺めてみると、結構面白い調味料が見つかります。
その中の1つが、美酒爛漫で有名な秋田銘醸株式会社さんから出ている【塩こうじもろみ】です。
秋田市のグランマートさんで購入してきました。300g入りボトルで税抜600円前後だったと思います。
塩こうじ調味料が爆発的に流行ったのは、10年程前になろうかと思います。
ブームは得てして一過性に終わるケースが多いですが、”定番商品”としてすっかり定着した感はあります。
最近では米の銘柄まで明記した塩麴も登場していて、より強いこだわりが見受けられます。今のところお惣菜で見かけた表記だと、新潟県産こしひかり・山形県産つや姫がありました。その内、サキホコレを使った調味料も出てくるかもしれませんね。
塩麴もろみのプロフィール
- 商品名 :塩こうじもろみ
- 一般名称:米発酵調味料
- 製造元 :株式会社浅沼醬油店
- 販売者 :秋田銘醸株式会社
製造元の株式会社浅沼醤油店は、岩手県盛岡市に本社を構える老舗です。
様々な製造免許を持ち、OEM(Original Equipment Manufacturing=他社のブランドを製造するメーカーの事)を得意とする会社のようです。
塩麴もろみは、秋田県産米を原料として、【白神乳酸菌】・【白神こだま酵母】を使って発酵させて作られています。
元々は、八峰町の特産品として作られていましたが、製造元が廃業してしまい、一旦は製造が途絶えてしまいました。
それでも事業者からのニーズがあったため、県総合食品研究センターがこれを受け継ぐ製造業者を探していました。
そこで、麹の部分を秋田県のオリジナル麴【あめこうじ】に変えるなどして、秋田銘醸さんが復活させたという経緯があります。
主な機能・用途
万能調味料として様々な料理に使用でき、以下のような働きがあるようです。
- 肉・魚の臭み取り
- 肉などを柔らかくする
- 料理の隠し味
塩麴調味料の代表的な機能としては、お肉や魚の肉質をしっとり柔らかくすることが挙げられます。
また、この塩麴もろみはアルコール分が5.7%程度含まれております。その為、臭み成分をマスキングしてまろやかな風味に仕上げてくれる、料理酒のような機能も持っています。
更に、調味料としてはまろやかな塩味を付与してくれて、優しい味に料理が仕上がるという利点も。
こういった面が”万能調味料”と言われる所以なんでしょうね。
鶏むね肉でピカタ風に
と言うわけで、肉質の変化を一番手軽に体感できるのが鶏むね肉と思い、実際調理をしてみました。
まずは、鶏むね肉を薄くスライスして、重量の10%程度の塩麴もろみを全体に絡めます。
昼ぐらいに準備して、夕食の準備まで冷蔵庫内で4時間ほど漬けておきました。基本的に後は余計に何か加えることはしなくていいかと思いますが、お好みで生姜を少し加えてもいいと思います。
漬け込んだ鶏肉を取り出して、小麦粉を全体にまぶします・・・
と行こうと思いましたが、小麦粉がなかったので片栗粉で代用。片栗粉も水分を含むと膜を作るので、保水性を発揮して、しっとり仕上がるような気がします。
予め溶いておいた卵に投入して、よく絡めます。
油を引いて、温めておいたフライパンで焼き上げていきます。あまり火は強くせずに、中火くらいでじっくり焼いていくイメージです。
一般的には、表面は強火で一気に組織を固めて、弱火でじっくり焼いていくのが肉汁が逃げなくて良いとされています。
しかし、今は如何に肉にストレスを与えずに火を通すかと言う考えもあり、最初からゆっくりと火を通していくやり方もあるようなので、そちらをなぞってみました。
ケチャップ・デミグラスソースあたりと一緒に出しましたが、子どもたちも順調に食べてくれて無事に作った分は全てなくなりました。
実際、鶏むね肉とは思えない柔らかさに仕上がってくれて、パサつき感は全く感じませんでした。下ごしらえさえやっておけば、簡単にできるので、是非お試し下さい。
秋田銘醸さんのサイト中にあるレシピ一覧にも、鶏唐揚げがあり、塩麴もろみを使うとむね肉でも美味しく作れそうな気がします。
また、煮物からスープまで本当に色々使えるようなので、一気にお家の食卓がバラエティ豊かになりそうですね。
また面白い調味料を見つけたら、色々試してみたいと思います。
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