【伊勢堂岱遺跡】世界遺産を子供たちがガイドします!

7月27日の日本時間で19時頃、北秋田市の伊勢堂岱遺跡を含む【北海道・北東北の縄文遺跡群】が無事、世界遺産に登録されました。

2009年6月に4道県知事及び関係自治体の首長が協定書を締結した後、実に12年という長い時間かけて進めてきた運動が実を結んだことになります。この間、関わってきた方たちの努力に心から感謝したいと思います。

北秋田市鷹巣の文化会館(ファルコン)では、18時半からの登録審査会のパブリックビューイングが行われ、登録が決まった後、市長を真ん中に万歳三唱でお祝いをしました。

市長や偉い方々の後ろにいる赤いTシャツを着た子供たちは、ジュニアボランティアガイドの方々。

実は、今年はウチの次男も参加することになりました。

 

ジュニアボランティアガイドって?

スタートは平成27年。毎年20名前後の子供たちが登録し、活動を行っています。

活動の主な内容は、伊勢堂岱遺跡へ来訪されたお客様について、遺跡の説明をするお仕事になります。縄文館内だと涼しくていいですが、外の環状列石や森の案内は暑くて大変そうです。

歳は小学校4年生~上は高校生まで。北秋田市に限らず、近隣の大館市から来ている子もいましたね。

過去の活動の様子は北秋田市のサイト(下記リンク)を参照してみてください。

 

どうやったらなれるのか?

学校を通じて申込書が配られるので、必要事項を記載して学校の担任に提出しました。これが確か5月か6月くらいだったと思います。

忘れた頃に教育委員会から書類が届き、登録が完了したことを確認。最初の年次総会にて、教育長から1人1人に嘱託状が手渡されて、正式に任命されました。

そして、、、

すごい人数が集まってる!!

などと思われるかもしれませんが・・・今年は実際多いようです!

新規登録者25名含む総勢52名もの大所帯になりました。昨年は20名(残念ながら活動は中止でしたが)から比べると、急激な増加ですが、それだけ関心が高いということでしょうね。

そして、今年はお客さん自体も多いとのことですので、丁度良いタイミングでガイドさんが増員になった形です。

どんな活動をするの?頻度は?

5月の大型連休8月の夏休みが主な活動期間になります。すべて必ず出勤しないといけない訳ではないようなので、無理なく取り組むことができそうです。

研修は?

日程のお知らせと一緒に送られてきたのがコチラの冊子。ガイドの手引き伊勢堂岱遺跡のガイドブックですが、結構文字が小さいです。

これらを基に、顔合わせ含め3日間に渡り、昼食を挟みながら10:00~15:00位の間で学習します。学校の勉強と違って、自分で興味があってやりたがったことのためか、勉強も楽しいようです。

最終日には、練習も兼ねて実際にガイドを子供たち同士で行ってきたようです!

実際に次男君がきちんとガイドできるのか心配な面はありますが、本人的は大丈夫なようです。出勤日には実際にガイドしてもらおうかな?

  

ここがゴールではない!

外見が一新された伊勢堂岱遺跡最寄り駅・小ヶ田駅。

無事に世界遺産登録が為されたとはいえ、実はこれからが新しいスタートなのかもしれません。

地域の活性化にどう結び付けるか

こんな感じで特別号が出たらいいかもしれません

都市部に比べると公共交通機関が乏しい地域なのは否めません。

北秋田市から大湯環状列石のある鹿角市まで直通のバスや路線電車がない。大館で乗り換えて向かうことになりますが、GoogleMapでルート検索(公共交通機関)を掛けてみた結果がコチラ↓

移動で4時間半以上掛かるとなると中々両方見に行くのは難しそうです。車なら約1時間なので、レンタカー・自家用車が現実的かなと思います。

近くにもう1つ世界遺産(白神山地)もあるのですが、藤里町や八峰町まで行くのにも同じ状況ではあります。こんなに近くに世界遺産が隣接している環境は非常に稀有だと思いますが・・・曜日や期間限定でも”特別号”が出ると良いと思いますが、如何でしょうか・・・?

保全-縮小・抹消されるケースも

世界遺産としての顕著な普遍的価値が失われたと判断されたことで、過去には抹消・縮小されたケースがいくつかあります。

例えば、ジョージア(昔はグルジアと呼ばれていた国)の【バグラティ大聖堂とゲラティ修道院】。バグラティ大聖堂の大規模な再建工事を行ったことでゲラティ修道院だけの登録に縮小されました。他にも、街に橋を架けたり、市域の再開発によって抹消に追いやられた事例もあります。

観光資源としての便利さも重要ですが、然るべき状態に保存しておかないといけない、そのバランス感覚も難しそうですね。

 

結び

と、上記のようなことを生意気にも考えていたら、こんなニュースがタイムリーに流れました。

北秋田市と鹿角市の観光業や飲食業、交通・サービス業者などでつくる【あきたJOMONサークル】が縄文文化の普及や観光客のさらなる誘致を目指す活動を始めました。

参加企業・団体は2021年7月時点で28団体

観光客が遺跡周辺のホテルや飲食店をお得な値段で利用したり、2つの遺跡をつなぐハイヤーを活用したりできるように連携して、より便利に周遊できる仕組みを作っていくようです。

せっかく身近に新しいランドマークができたので、盛り上がりを瞬間的に終わらせず、長く親しまれていきたいものですね。お盆前で多忙な仕事が落ち着いたら、色々回ってみようと思います。

びびた

北秋田市生まれ。 東北を(ほぼ)一周回った結果、地元に落ち着きました。 20年4月より秋田市と北秋田市の往復生活を始めました。 普段の暮らしで体験したこと・おススメポイントを紹介したいです。